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その後、無事に僕らは学校に入学した。

あまり人と話すのが得意でない僕は、友だち、と呼べる人は少ないが、Aは持ち前のコミュニケーション能力でもうクラスの人気者らしい。

すごいなぁ、と妹ながら感心してしまう。

しかし、まだAにそっくりな女の子とは毎日遊んでいる。

どうも二人の間には特別…かはわからないが、学校の子とは一線を引いた関係らしい。



「次の文を……相川。読みなさい」

「あ、はい!」



先生に呼ばれ、慌てて立ち上がる。

開いたのは国語の教科書の説明文のページ。一文読み終えると、自分の席に座った。

次の文は、僕の後ろの席の人が読むらしい。

……あまり、勉強に身が入らないなぁ。

ノートを開けば、そこは真っ白け。最後まで、なにも記入できなかった。







きっと、僕が授業に打ち込めなかったのは、授業が始まる前の休み時間、クラスメイトから言われた言葉にあるのだろう。



「なあ、おまえの妹、“ゴミ捨て場”の近くで遊んでんだろ? 親が許すもんなの?」



“ゴミ捨て場”。

そう言われたとき、最初はよく理解できなかった。

しかし、Aにそっくりなあの女の子が住んでいるという、建物の塀にかかれていた言葉だと思い出した。

確かにAはあそこで遊んでいる。あの女の子と一緒に。

けれど、なんでそのことが気になるのだろう。



「なんで? あそこって、入っちゃいけないっていう決まりでもあるの?」



あまり僕と話したことがない、クラスメイトである彼は驚いたようにこっちをみた。

この町では常識のようなものなのだろうか。



「おまえ、知らねぇの? あそこは孤児どもの固まりだぜ?」



孤児? ならば、あの女の子も孤児で、あの建物は孤児院なのだろうか。

けれど、孤児院だからといって忌避される理由にはならないと思うのだが…。



「あそこの管理人のじいさんはさ、結局金目当てなんだよ。ろくに孤児にご飯も与えずに、国からの給付金を自分の懐の中にポイ、だ」

「え!? ご飯が与えられてない…って、じゃあ死んじゃうじゃん!」

「だから“ゴミ捨て場”」

「え…?」

「あそこに入っちまえば、もう生きることなんて不可能に近い。だから“あそこにいる奴はいらない奴”ってことだ。それが“ゴミ捨て場”の意味」



あまりにひどい話に、声がでなかった。

じゃあ、あの女の子も? “いらないもの”として扱われてきたのだろうか。

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千々(プロフ) - くまくまちゃんさん» 最初のころの作品で語彙力ドバドバ崩壊なのにそういっていただけるなんて嬉しいです……! コメントありがとうございました! (2020年11月1日 14時) (レス) id: 4401622583 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - すごいふかいなぁ。神かな?←面白かったです! (2020年9月19日 9時) (レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - ひきねこさん» こちらにもコメントありがとうございますっっ! たくさんのコメントは本当にモチベに繋がるので嬉しいです……! 神作と思っていただけるのはRONONさんのネタが素晴らしいからですね、上手くネタを生かせたか心配ですけど、そう言っていただけて良かったです! (2020年8月18日 22時) (レス) id: b78eeb1902 (このIDを非表示/違反報告)
ひきねこ - こんにちは 新しい方のから読みに来ましたよ なんですか!?作者様は神作しか書けないんですか!?コホン…凄く良かったです 他のも読みにいきます (2020年8月18日 19時) (レス) id: b9ac26b4ea (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - #よにん。@変人系カップル&シトラ教教組さん» これからも読者さんの期待に応えられるように、誠心誠意頑張らせていただきます……! ありがとうございました! (2020年8月5日 15時) (レス) id: b78eeb1902 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/  
作成日時:2020年5月10日 14時

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