story11 ページ13
そらるside
きっと全部、わかった。
あの男性から得られた情報は、かなりのものだった。
“亡霊ちゃん”と呼ばれていた理由、そして“ゴミ捨て場”の意味、忌避される理由まで。
「うわー…。随分と複雑、だなぁ」
おそらく全てわかった、そこまではいいのだが、随分と複雑で気が重くなるような内容。
こんな状態を解決できるのか、そんなことはわからないが、もうここまできたら当たって砕けろ、だ。
……砕けるつもりは毛頭ないが。
スマホを手に取り、某メッセージアプリを開く。
送信先はまふまふ。
今から家に行っていい? そう送信すると、すぐに既読が付いた。
いいですよ
返信が来た。その間、約十秒。
なにをしていたのだろうか。
いや、特になにをしていたわけでもないのかもしれない。
だって、Aさんが現れたことで、多少なりともまふは、気が重くなっているはずだから。
……俺が、問題を解決できる、だなんて夢物語みたいなこと、あるわけがない。
ただ、俺が付いていることで、まふまふが勇気を出せるのなら。
こんなお節介も、存外悪くはないのだろう。
*
「どうしたんですか? 今日、遠出するって言ってましたけど」
「もう遠出はしてきた」
いつものように机に座り、雑談をする。
いつもと変わったような雰囲気ではないが、どこか動きがぎこちないかもしれない。
話を切り出してもいいのか、と少し迷った。
「そらるさん、さっきから百面相してますよ。そんな顔されたら気になります」
「え、百面相なんてしてた?」
頭の中で考えていたことが、顔に出ていたんだろうか。
それなら随分と滑稽な姿だ、なんて少し頬を緩ませる。
「あー…。あのさ……」
ようやく話を切り出す。
その決意はついたものの、どこから話せばいいのかどうもわからない。
あれ、一番最初に知ったことはなんだっけ、年代的に話していけばいいんだっけ。
小さなことから話す? いや、重要なことから?
さんざん悩んだ挙句に、発した言葉は。
「もう、Aさんは死んでいるんだよな?」
377人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
千々(プロフ) - くまくまちゃんさん» 最初のころの作品で語彙力ドバドバ崩壊なのにそういっていただけるなんて嬉しいです……! コメントありがとうございました! (2020年11月1日 14時) (レス) id: 4401622583 (このIDを非表示/違反報告)
くまくまちゃん(プロフ) - すごいふかいなぁ。神かな?←面白かったです! (2020年9月19日 9時) (レス) id: 8a3f9ddf1c (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - ひきねこさん» こちらにもコメントありがとうございますっっ! たくさんのコメントは本当にモチベに繋がるので嬉しいです……! 神作と思っていただけるのはRONONさんのネタが素晴らしいからですね、上手くネタを生かせたか心配ですけど、そう言っていただけて良かったです! (2020年8月18日 22時) (レス) id: b78eeb1902 (このIDを非表示/違反報告)
ひきねこ - こんにちは 新しい方のから読みに来ましたよ なんですか!?作者様は神作しか書けないんですか!?コホン…凄く良かったです 他のも読みにいきます (2020年8月18日 19時) (レス) id: b9ac26b4ea (このIDを非表示/違反報告)
千々(プロフ) - #よにん。@変人系カップル&シトラ教教組さん» これからも読者さんの期待に応えられるように、誠心誠意頑張らせていただきます……! ありがとうございました! (2020年8月5日 15時) (レス) id: b78eeb1902 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:千々 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/tidierika2/
作成日時:2020年5月10日 14時