妖の待つ宵【SVT】 (ページ4)

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ホンジスの任務ページ4

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さて、一方その電話の主であるホンジスは任務の為とある廃墟と化した工場に居た。

夜は耽け、白い月が照らす夜空の下、冷えた空気、そして水滴の落ちる音さえ響く静けさは更に不気味にその夜を彩る。

そんな夜を更に不気味に、そして美しく完成させるコツ、コツ、という上品な革靴が地面を踏む音がその廃墟に響く。

そしてピタリと音が止んだかと思えばカシャとピストルの撃鉄を起こした音がその場所一体に緊張を催した。

JS｢出てきてもらえるかな。時間なら沢山あるんだけど今日のうちにやる事が多いんだよね。｣

心臓が止まってしまうかと思う程の緊張感のなか聞こえたのは銃声ではなく、少し甘く穏やかなトーンをした男性の声だった。

スーツを優雅に着こなした彼は物陰に向かって片手で銃を構えた。そのフォームは長年熟練されたもので、どんな年配の面をしたベテランかと思いきや、その主はまだ20代半ばの男性であった。

整った顔つきに優しげな、けれどどこか冷たい感情を感じられない頬笑みを浮かべてその物陰を見つめているのは、

＿＿＿＿＿そう、この男こそホンジスである。

“ちょ、ちょっと待ってくれ！たかが約束の日を2日…そうたった2日過ぎただけじゃないか！ここで死ぬ訳には行かないんだ！まだ小さい子供も若い妻もいて…は、はは…”

物陰に身を潜めていた男は銃口を向けられた事でジスが本気だと言うことを悟ると、命を請おうとコンクリートの地面を這い蹲って出てきた。

“な、なぁ？お前にも分かるだろっ、”

JS｢さぁ。ごめんね、分かんないな。それに約束は守るためにあるんだよ。｣

“ちょっと、待っ＿＿＿＿”

＿＿＿＿パン

男の必死な訴えに表情一つ変えず無慈悲にもトリガーを引いた。

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