妖の待つ宵【SVT】 (ページ12)

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巷の女子も顔負けページ12

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「よ、ろしくお願いします…？」

MG「んー起こしちゃった？本当はもう少し寝るべきだって聞いたけど、誰に聞いてもその”もう少し”がよく分からなくてさ。もうちょっと寝たかった？寝る？」

口をきゅっと結んで口角を上げた後首を傾げて尋ねてくるその行動に思わず拍手をしてしまいそうになった。

こんなイケメンが巷の女子高生たちが日々実践するモテテクを兼ね揃えているとは。

そして私の名前までもうすでに知っているし、近づき難い雰囲気から親しみを抱いてしまうような雰囲気まで操れるなんて、きっと女性からとんでもなく人気なんだろうな。

…なんて自分の状況を忘れて思考する。

それにしてもミンギュさんは初っ端から質問ばかりで返事に困る。

「えっと、取り敢えずは大丈夫です、さっきから起きてましたし。」

MG「そっかそっか。それじゃあ今から連れて行きたい所があるんだけど。」

連れて行きたいところ…？

全く見当もつかずはて、と見上げると妖しげに微笑んだミンギュさんと目がぱっちり合った。

MG「俺らのボスの所だよ。」

”ボス”という単語をその口から聞いた時ゾクっと不気味な寒気が背中を走る感覚を覚えた。

その言葉を放ったミンギュさんから感じたものなのか、それともその単語から感じたのかは定かではないが直感的に感じた。

私はとんでもないものと絡んでしまったということを。

結局ごくりと息を飲み込んだ後ベッドから降りてミンギュさんとその部屋を出ることになった。

そうする選択肢しか残されてなかったからだ。

MG「そういえばAちゃんは…中学生とか？」

｢…高校生です｣

MG｢あ…なんかごめん…いや、その、あれなんだ。人の年齢当てる感覚が鈍ってるの俺。そ、それにAちゃん小さいじゃん｣

｢…よく言われます｣

部屋を出た後廊下を歩きながらそんな会話をする。

案外ミンギュさんは見かけによらず気さくな人だった。

にしても小さいって…言われた事ないわ実際。

けれどあまりにもミンギュさんが申し訳なさそうな顔をするものだからそう言うと、安心したように｢そうだよね！やっぱり！｣なんてその大男は笑った。

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