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青Side


それから一年後。


亮はほんまにAのことを大事にしてて。

二人はええカップルやと思う。


今日、二人の婚約が社内で発表された。


これでもうほんまに終わりにしよう。

何回もそう思うのに。


Aに会う度、
いつも振り出しに戻される。



窓の外では大雨が降り続いてる。


A、大丈夫かな。


取引先からまだ戻ってないのはAだけや。

雨のせいで、電車が大幅に遅れてるらしいねん。


亮は今、出張中や。

俺しか迎えに行ってやれるヤツ、おらんねん。



一階のエントランス。

そこにずぶ濡れのAが駆け込んで来た。


「A、傘、持ってなかったん?」


慌てて駆け寄って聞く。


寒さで、Aの歯の根が合うてなくて。


「ずぶ濡れやんか。
とりあえず俺の部屋行こう。
車で送ってくから」


デジャブかと思った。


違う。


ほんまにこんな事があった。


あの瞬間、俺らの恋が始まる筈やってん。


震えてるAに、
俺のスーツのジャケット着せかけて。


タクシーつかまれへんし、
寄り添って歩く。


「前にもこんなこと、あったね。
あの時は亮くんが急に現れたけど・・・」


Aがちっちゃく呟いた。


「せやな。
あの時もお前、傘、持ってなくて・・・
用意の悪い子やな」


言うたら。


「わざとだよ。
章大の傘に入りたかったから・・・」


Aが何でもないように、
ふって笑って言うてん。


「え・・・」


思わず、立ち止まる。


部屋はもうすぐそこ。


「A・・・?」


「ごめんね。
変なこと、言っちゃった。
もう昔のことだから・・・」


慌ててそんなん言うAの手を取ったら、
冷え切って、かじかんでて・・・


「冷え切ってる。
俺の部屋であったまってき」


思わずそう口走ってた。

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亜季(プロフ) - すれ違いが切なすぎます。自分の気持ちを伝えなかった主人公ちゃん弱虫ー(泣) (2017年10月23日 22時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - 書き足されたモノ、読ませて頂きました(^^) とっても刺激的で、ドキドキしました(*^^*) (2017年10月23日 0時) (レス) id: 2e580a9b8d (このIDを非表示/違反報告)
くり(プロフ) - 亮ちゃんはちょっと自業自得やけど…(笑)、しげは不憫…そして照史くんも…。それにしても女はこわいなぁ(>_<) (2017年10月3日 18時) (レス) id: 23a9b7a6e0 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:fool x他1人 | 作成日時:2017年9月29日 21時

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