秘密。

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マルが帰ってくる気配して、慌てて離れた。


口紅ついてないか。

慌てて口を拭う。


Aも乱れた髪を直してる。

俺が指に絡めたから・・・


息、整えたとこで、
ドアが開いた。


「ただいま。
亮ちゃんまで洗い物してくれてたん？
ええのに」


さっきは勢いで、
俺と結婚しようなんて口走ってもうたけど。


マルを裏切れる？


ずっと友達やったのに・・・

こんなええやつ、なかなかおれへんやん。


けど・・・


理屈やなくて、惚れてもうた。




今日はマルに抱かれるん？


想像しただけで、吐きそうや。


「俺、そろそろ帰るわ。
ごめんな。
婚約者同士で楽しい過ごして」


頭、冷やそう。


略奪なんか出来るわけない。


「ええっ。そうなん？
せっかくアイスも買うてきたのに。
またいつでも来てや？
結婚したらAもここに住む予定やねん」



忘れたい。

忘れな。


再会する前に戻るねん。


あいつは昔、ちょっとからかっただけの、
都合のええ女。

他にええ女現れたから捨ててやった。


それだけの・・・



なんでこんなに、
Aで心が埋め尽くされてんねん。


好きやねん。


理屈やなくて。


Aしか見えへん。









日曜のデート。


Aを部屋まで迎えに行く。

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