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瞬間に。
由貴が、俺に抱きついてきた。
「私、・・・好きになっちゃったみたい。
章大さんのこと、好きになってもいい？」
由貴が吐いた言葉は、
あの時、Aが渋谷さんに告げたそのまんま。
Aが家を飛び出して行く。
ドアがの閉まる、やけに大きな音が響く。
追いかけな。
・・・死なせてしまう。
そんな予感がした。
俺が惚れ抜いて追いかけ続けて、
守り通した、
たった一人の女を。
駆け出した俺を、
由貴が追いかけて来る。
大通りに面した歩道に、
消えてしまいそうなAの背中が見えた。
「A！」
叫び声は、クラクションの音にかき消された。
「ダメ！章大！」
飛び出した俺に、
叫んで、
必死で覆いかぶさってきたのは・・・
どっちの女やったやろう。
トラックの光が脳裏を突き刺して、
やがて横切って、遠ざかる。
騒然とした交差点に、
脱げ落ちたハイヒールと、
崩れたケーキ。
そして意識のない、二人の女。
俺の愛したAと・・・
もう一人。
もう一人も・・・
やっぱり、俺の愛した、A・・・？
妻のAの意識は依然、戻れへんまま。
その手を握りしめても、
その頬に触れても、
動くことは、もうない。
機械につながれて、
どんな夢を見てるんやろう。
その青白い頬に、一筋の涙が流れた。
「大丈夫や。
俺は一生、Aを愛してる。
お前はほんまになんも分かってへん。
俺がどんだけAを愛してんのか」
頬の涙を撫でながら呟いた時、
扉が開いて、
真っ白な病室に、
鮮やかな色彩のワンピースが、
翻る。
「章大、もう由貴は目覚めないよ。
悲しいけど、諦めて。
これからは私がいる。
あなたのそばに」
ドアを背中に、
由貴が、あやしげな笑みを浮かべて立ってた。
「違う。
寝てんのは、由貴とちゃう。
俺の愛してるAや」
振り返った俺に、
由貴はゆっくりと、
ヒールの音をコツコツさせて、
近寄って来る。
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ぁぃ岡ちゃん(プロフ) - うわぁうわぁ！！！ぞくぞくしました！ 割と感情移入しまくって読みながら泣いたりたまにセリフが口に出たりするくらいガチで感情移入するタイプの人間なんですけど(笑)、今回は自分がどっちなのか、今初めの主人公はどこなのか混乱して楽しかったです！！ (2018年11月11日 18時) (
レス) id: c2340028d5 (このIDを非表示/違反報告)
美穂(プロフ) - お久しぶりです。いつもとテイストが違ってゾクゾクしました。どっちがどっち?って思わず読み返しました。 (2018年10月21日 5時) (レス) id: 60a8e9ffa8 (このIDを非表示/違反報告)
りり(プロフ) - お返事有難うごさいました(/ω＼)私なりの主題歌ドンピシャですよね笑！君がためシリーズ私も大好きで大好きで…何度も読んでます☆ミスチルだったんだ〜！ミスチル大好きなので、もう最高すぎる♪秘密２スリリングでハラハラしました！発想力に脱帽です (2018年10月20日 6時) (レス) id: ac3afc1999 (このIDを非表示/違反報告)
亜季(プロフ) - ゾクゾクしながら読みました！読み終わっても混乱していますが（笑）面白かったです。 (2018年10月19日 23時) (レス) id: 327514e65b (このIDを非表示/違反報告)
ひみさ(プロフ) - ヤス君、凄かった…(///∇///) アンケートで投票したくらい、この作品が好きで…普段の甘々な作品とのギャップがたまりません(≧▽≦) 素敵な作品、ありがとうございました♪ (2018年10月19日 16時) (レス) id: 6eb2ce4a4e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：fool x他1人 | 作成日時：2018年10月3日 10時
