第５５話【本】 ページ6
*
上も上で派手にやったらしい。血塗れだ。
「お、そっちも終わったか。初仕事の感想は？」
『つまらない。それだけよ』
「そんなもんね」
もう盗んだから帰ってこい、というクロロの連絡で彼女達はそこを後にする。
拠点に帰ると盗んだ本が置かれてあった。
血塗れになった身体を流し終え、ご飯を食べる。
「A。これはお前にやる」
『あら』
魔族についての記述があるらしいその本を渡された彼女はその本を開いた。クロロが渡した理由もわかる。
「またその本の内容について教えてくれ」
『分かったわ』
Aはご飯を食べ終えると部屋に戻った。
魔族の言語で書かれたその本を読む。
『ふぅん……』
ぱらり。ぱらり。
読み終える頃には朝になっていた。
魔族にはそれを証明するものが目にあるらしい。
自身の持つ色彩に黄色味を帯びるグラデーション。つまり言えば上は各々の瞳の色で下は黄色っぽい目なのだ。
魔族を知る人には分かりやすく、その瞳は「緋の目」と同等の価値がある。それよりも魔族という時点で価値はあるが。
そして魔族という種族は下克上が存在しない。
弱者はいつまでも弱者で強者は常に強者。産まれた時点で育つ限界値が決まっている。その為集団行動が主。
本に書かれている内容はざっとこの程度だ。それぞれが長々と書かれているが。
『目を隠していたのはそれか』
わざわざ隠していたということはそれなりに広まっているのだろう、魔族の特徴が裏社会には。クロロ達がそれに気づいていなかったのは驚きだが。
『……これからはつけるべきかな』
彼女は目に包帯をつける。懐かしいこの感覚。真っ暗な世界。けれど怖くない。落ち着く。
『……見えないのも悪くないわね』
彼女は杖をついて広間へと向かった。
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ﾄﾞﾛｰﾝｺﾏﾐﾚ(プロフ) - めちゃ面白いです。 (2019年7月18日 6時) (
レス) id: 2653006338 (このIDを非表示/違反報告)
マナ - 初めまして。みやちゃんさん、マナと言います。わがまま×お嬢様すごく面白いです！次の更新楽しみにしています！無理しない程度に頑張ってください。 (2019年7月15日 0時) (レス) id: 5e4d5a9486 (このIDを非表示/違反報告)
桜綴(プロフ) - 更新頑張って下さい！応援してます！ (2019年6月2日 15時) (レス) id: eaaab171d0 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：永遠の18@みやちゃん | 作成日時：2019年4月30日 19時
