第46話【世話係】 ページ47
*
部屋の中で彼女は杖を見つめる。
この杖は明らかに人を殺すための杖だ。それはつまりどういうことか。
「A」
扉の向こうから声が聞こえる。
「早く開けるね」
フェイタンは彼女を気にしていた。
Aは返事をするわけでもなく、布団の中に入り耳を塞いだ。今は彼らの声なんて聞きたくない。
耳を塞いでも音は聞こえてしまう。
何かが切れるような音がした。まさかと思いそちらを見やると目の前にフェイタンが立っている。扉はどうやらフェイタンの刀で斬ったらしい。
『出てって!』
「嫌よ」
『今は会いたくないの!!』
「そんなの知らないね」
『はぁー?世話係は大人しく言うこと聞きなさいよ!』
「不服だけどワタシお前の世話係ね。お前の面倒見る、これが仕事よ」
『今は良いから______!』
早く出てって。
そう言おうとするも彼に口を塞がれ言えない。それはいつぞやの反対だった。
「お前はワタシに思たこと言えばそれで良いね。世話係として聞いてやるよ」
彼はAの口元から手を離す。
ぽつり、ぽつりと。彼女はフェイタンに話していった。
殺した時のことを話す。
数十人殺したこと。杖のこと。友達に悪魔と言われたこと。全部話した。
「……で?お前は何思たか」
『あたしのこの杖は、人を殺すための杖。あたしは、過去に何人も何十人も。何百人も人を殺しているの』
「で?」
『人を殺した時……何も思わなかった。むしろ高揚感を感じたくらい』
「……お前はそう思う自分が怖いのか?」
『怖い……そうね。過去の自分が怖いわ。どこをどうすれば人が死ぬのかも。悪魔と言われ、見られる目も。全部、知ってる』
彼女は震える身体を抱きしめる。
いったい自分は何をしてきたのだろう。いったい自分はどれくらいの人を殺してきたのだろう。いったい自分はどんなモノなのだろう。
フェイタンはAの頭を撫でた。落ち着かせるように、優しく。
「お前がどんな奴でも、ワタシ達は受け入れるよ。ワタシ達だてはたから見れば悪魔ね。人たくさん殺してるし戦うの好きよ。だからお前は安心してワタシ達におかえり言とけばいいね」
『……ぅん』
Aはフェイタンに抱きつき泣いた。
フェイタンはAの頭と背に手を回し、撫でる。
どうやら彼は彼女が来てから丸くなったらしい。
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永遠の18@みやちゃん(プロフ) - きぃさん» ありがとうございます!主人公ちゃんもミカちゃんも私好みのキャラにしているので大好きと言われると嬉しいです(笑)これからも頑張らせてもらいます! (2019年4月20日 21時) (レス) id: e44bb0483d (このIDを非表示/違反報告)
きぃ - 主人公ちゃんもミカちゃんもかわいくて大好きです!更新頑張ってください!! (2019年4月19日 19時) (レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
ワサビ餅(プロフ) - 永遠の18@みやちゃんさん» 返信は遅くっても全然大丈夫です!!(笑) (2019年4月12日 19時) (レス) id: 0bb12ee9d2 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の18@みやちゃん(プロフ) - ワサビ餅さん» お返事遅くなり申し訳ない!私もミカちゃん好きで当初はただのモブキャラ予定でしたが……続きはCMの後!(笑)お互い頑張りましょねー! (2019年4月12日 18時) (レス) id: e44bb0483d (このIDを非表示/違反報告)
ワサビ餅(プロフ) - 登録人数すごいですね!!ミカちゃんが個人的には好きです!お互い頑張りm(殴←(何様やって感じですよね。(笑) (2019年4月2日 10時) (レス) id: 0bb12ee9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:永遠の18@みやちゃん | 作成日時:2019年3月8日 1時