第14話【普段なら軽く言えるその言葉も時には恐ろしく聞こえるのだ】 ページ15
*
「……なんだい、こりゃあ」
「やべえ臭いがするぞ」
帰ってきたマチやフランクリン達は驚いた。ノブナガは倒れてるし他の連中も顔色が凄まじく悪い。
『おかえりなさい!』
Aの顔色はいつも通りだ。つまり、Aには被害がない。そして異臭の原因であろうとなにかの料理。
帰ってきた者は原因が何か分かった。
「……A、これは?」
『カレーよ!』
クロロの問いに答えるA。
カレーはこんなものだったか。カレーは人を気絶させる力があったか。
「これは、Aが作ったの?」
パクノダの問いにAは笑顔で頷く。あぁなんて純粋な笑み。悪意のかけらもないのだから責めるわけにはいかないし食べないわけにもいかない。それに大方シャルナークあたりが計画したのだろう。自業自得だ。
『でもね、美味しくなかったみたいなの……』
笑顔だった彼女が突然、泣きそうな顔になっていた。
AはAなりに真剣に作ったのだろう。
『マチ達だって、良い顔してないわ。あたし、こんな顔にさせるつもりじゃなかったのに』
ごめんなさい。
Aは泣きながら言う。マチは彼女を抱きしめ、頭を撫でた。彼女は何も悪くない。確かに料理は下手かもしれないがそもそも彼女はずっと目が見えなかった。カレーがどんなものかだって分からないだろうし、料理だって分からなかったはずだ。
それでも作ったというのは皆に褒めてほしかったのだろう。
マチは男どもを見る。やることあるだろ。そういう目で。
男達はそれに気づき、ご飯を食べ始めた。一口入れただけでも吐きそうだ。本当にあの子は何をいれたのだろう。
マチはAに男どもの方を向かせる。Aは驚いた。さっきまであんなに嫌がってたのに、食べてくれてる。
『みんな……』
「元々頼んだのはオレ達だしね」
「Aが頑張って作ってくれたんだ。食うしかねぇだろ!」
「Aの真心とやら、伝わってくるぜ」
「……」
そして皆、食べ終わった。
顔色はさっきよりも悪くなっている気はするが。
Aは笑顔で感謝の気持ちを伝え、こう言った。
『おかわりあるわよ!』
悪気もない。純真無垢な笑顔で。
その言葉を聞き、男どもは絶望したような顔をして倒れる。
それ以降、Aには料理をするなと命じられるのであった。
第15話【暇すぎるのと忙しすぎるの、どちらの方が辛いのだろう?】→←第13話【悪意がないからこそ恐ろしい】
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永遠の18@みやちゃん(プロフ) - きぃさん» ありがとうございます!主人公ちゃんもミカちゃんも私好みのキャラにしているので大好きと言われると嬉しいです(笑)これからも頑張らせてもらいます! (2019年4月20日 21時) (レス) id: e44bb0483d (このIDを非表示/違反報告)
きぃ - 主人公ちゃんもミカちゃんもかわいくて大好きです!更新頑張ってください!! (2019年4月19日 19時) (レス) id: 6e365f857a (このIDを非表示/違反報告)
ワサビ餅(プロフ) - 永遠の18@みやちゃんさん» 返信は遅くっても全然大丈夫です!!(笑) (2019年4月12日 19時) (レス) id: 0bb12ee9d2 (このIDを非表示/違反報告)
永遠の18@みやちゃん(プロフ) - ワサビ餅さん» お返事遅くなり申し訳ない!私もミカちゃん好きで当初はただのモブキャラ予定でしたが……続きはCMの後!(笑)お互い頑張りましょねー! (2019年4月12日 18時) (レス) id: e44bb0483d (このIDを非表示/違反報告)
ワサビ餅(プロフ) - 登録人数すごいですね!!ミカちゃんが個人的には好きです!お互い頑張りm(殴←(何様やって感じですよね。(笑) (2019年4月2日 10時) (レス) id: 0bb12ee9d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:永遠の18@みやちゃん | 作成日時:2019年3月8日 1時