裏工作 ページ28
双子たちは揃って息を呑んだ。
彼の人生があまりにも彼らに似ていて、もう二人は何が起こるか予想がついていた。
セ「最初は反対したんだよ〜?死ぬ覚悟なんてとうの昔に出来てたし、今更また生きようなんて気にもなれなかったし〜。
でもルイはそれでも諦めなかった。
凄いよね〜!成功するかどうかなんて全くわからないのに、一歩間違えれば自分が死ぬかもしれないのにそう言ってくれるなんてね〜。普通出来ないよ〜。
最後の最後で俺は折れて、ルイの提案に乗ることにした。
でも不幸なことに、しっかりした計画が立てられる前に父が亡くなった。
原因は持病かなんかかな?
まあそのせいで早急に当主が必要になって、俺らは予定より早く競わなきゃいけなかった。
父が亡くなってたった2日後、俺とルイはこの同じ広間へ連れてかれた。
その時審判をやったのは、祖父だった。他にやれる人が居なかったわけじゃなくて、祖父は自分から立候補したんだ。」
そこで一旦話を止め、服の襟を直しながら空間を見回した。
ゾルディック家の者三人以外に何もない空虚な空間がやけに心地よく感じられた。
セキにとって苦しい思い出が詰まっている憎むべき広間が、懐かしい、ある意味恋しい場所へと変化していたのだ。
長い間ここで過ごしてきたからかな〜、と彼は思ったが、彼自身それは違うと分かっていた。理解はしている、しかしあえて真の理由を無理矢理頭の隅へと追いやったのだ。
セ「ここで質問〜!」
暗い雰囲気が覆いかぶさっていた話の経緯と全く違うセキの陽気な声に、Aとキルアは軽くビクッとはねた。
セ「俺らの祖父はどのようにして当主を選んだでしょ〜か?」
一瞬である答えがAの脳に浮かんだ。
これが正しいかどうかは分からない。
なぜこの答えが浮かんだのかも言葉だけでは説明しきれない。
ただただ、直感的に感じたことだった。
A「貴方が今やっているのと全く同じ方法… つまり、最初に自分を説得できた者を選ぶ… そうでしょ?」
セキは軽く首を傾け、わざとらしく指を口に当てた。
セ「ん〜… 半分正解〜!」
キ「半分?どういうことだ?」
セ「それが表の理由ね〜。ていうか、祖父が審判に立候補した時点でもう終わってた。
祖父とルイは、グルだった。」
本当に哀しそうに、悔しそうに唇を噛むセキを見て、双子たちはそれが決していい意味ではないと悟った。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
本
ラッキーハンターキャラ
キキョウ
576人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「HUNTER×HUNTER」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おもち - とっても面白く、感動しました!!!この神作品に出会えてとても良かったです!次々の展開が良くて天才か…?と何度も思いました!この作品を作ってくれてありがとうございます!そして本当にお疲れ様です(❁ᴗ͈ˬᴗ͈)っ🍵 (3月1日 17時) (レス) @page41 id: 15562e6fc6 (このIDを非表示/違反報告)
気迫(プロフ) - みおさん» わわわ…!!こちらこそ、ご愛読ありがとうございます。みおさんの心にいっときでも残る作品であれたなら本望です(*´꒳`*) (2022年9月14日 10時) (レス) id: 60768b2bca (このIDを非表示/違反報告)
気迫(プロフ) - 冬瀬さん» 最後まで読んでくださりありがとうございます…!きっと双子達はこれから幸せに暮らしていけることでしょう… 冬瀬さんの作品もこっそり拝見しました。好きです… 応援しております! (2022年9月14日 10時) (レス) id: 60768b2bca (このIDを非表示/違反報告)
みお(プロフ) - 完結おめでとうございます!!!!この作品大好きです!!とても感動しました…。とても素敵な作品ありがとうございました!! (2022年9月13日 22時) (レス) id: 98c132f21e (このIDを非表示/違反報告)
冬瀬(プロフ) - 完結おめでとうございます!双子達が無事ハッピーエンドを迎えてくれて良かった。。素敵な物語をありがとうございました〜 (2022年9月13日 14時) (レス) id: 033bbfc38e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:気迫 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/my.nori118
作成日時:2019年2月13日 9時