双子の私は生きられた。【HxH】

小さな事 ページ22

貴方「…ははっ…」



思わず吹き出してしまった…

あまりにも正確すぎる答えだったから。



貴方「せーかい。全部正解だよ。」

キ「は…？」

セ「そうでしょ〜？」



すべて合ってる。
不気味なほどに合ってる。

確かにこれは私の逃げ道でもある。

もう苦しみたくないから、もうあんな風に裏切られたくないから、死を追い求めた。



ついさっき会ったばかりの変人が、長年キルアにさえ分からなかった私の心情を汲み取った事に正直凄い驚いてる。

ていうか最早これはエスパーでしょ。



セキは得意げに笑っていた。



セ「今エスパーって思ったでしょ〜。」



え、そこまで分かるんかい！！



貴方「いやそこまで来たら本物のエスパーじゃん。」

セ「違うよ〜？君の考えが俺のと酷似してるだけさ〜。」



酷似だって…？

こんなヘラヘラした、訳が分からないような男と…？


貴方「…あんたと一緒にしないで。」

セ「一緒にするよ〜。俺がした事と全く同じ様に物事を進めようとしているからね〜。」



セキと… 全く同じ事…？

…それって…



貴方「…もしかして、貴方はご先祖様？」

セ「んー、そうなるね〜。」



え、何でまだ生きてんの…？

それに、彼は今私達が経験していることを生き延びたって事…？

じゃあ、セキの双子は…



キ「今はそんな事関係ねーだろ。」



ポツリと言うキルアの声が広い空間の中でやけに大声に聞こえた。



キ「問題は… A、お前の方だ。」

貴方「え…？」



キルアの瞳は髪で隠れていて、全く見えなかった。



キ「いくら俺が二人で生きようって説得しようとしても… お前がそんな事をずっと一人で抱え込んでたら、話になんねーだろ！



　初めて知ったよ、そんなお前の考え…



　俺の命？



　そんな小さな事のせいで、囚われてんのかよ…？」



…小さな事…？



貴方「小さな事ってどういう事？あんたは、私にとって一番大切な-」



キ「俺にとってお前も一番大事な家族なんだよ！！」





あまりに情の籠もったキルアの声に私は声を失ってしまった。

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