双子の私はいつか死ぬ。【HxH】

銀髪の初仕事(1)　7歳 ページ11

ここ3ヶ月間、イル兄のことも見かけてないし、キルアのことも見かけていない。
どうやら、キルアは跡取りになるための特別な訓練を受けているらしい。

そして今日、やっとイル兄に会えたのに、彼の第一声はこれだ。



イ「A、今日はお前の初仕事だよ。」



「ただいま」とか、「おかえり」とか、そういうやり取りは一切ないで、急に「初仕事だよ」だって！
なんかおかしくない？

てか、私初めて人を殺さなくちゃいけないの？
聞いてないんだけど…

…あー、そっか。
キルアが居なかった理由は、私より早めに殺しを始めたからなのね。



貴方「…キルアと一緒じゃダメなの？」

イ「経験があっても無くても、二人でするには簡単すぎる。もちろん俺は手伝わないよ。」



うぅ…
緊張する。
ちょっと怖いな。
ほら、心臓がバクバクしてきて、手に汗がにじみ出てきた。



イ「目的地までは一緒に行ってあげるけど、そこからは自分でなんとかしなよ。」

貴方「うぅ… あくまでも一人か… 分かったよ。でも、あまり離れないでね？」

イ「うん。あ、これが今回のターゲットだから、到着する前に覚えて。」



そう言い、イル兄は私にターゲットの写真を渡した。



初めて私が殺す人は、いかにも「世界は自分中心に回っている」と思っているような傲慢で、不細工な顔つきの、黒い顎髭を生やしたデブのおっさんだ。
黒いサングラスをかけていて、額にはまあご立派なイボがついてるやつだ。

写真を見るだけでなんか腹が立ってきた。
ルビーの指輪や高級そうなスーツケースを持っていることからすると、おそらくどっかの金持ちの社長あたりかな？
これはすぐに見つけられるだろうなー。
護衛団とか周りにいそうだし、何より目立つ。

腹が。



貴方「うん、覚えた。」

イ「じゃあ、行くよ。ターゲットはヨークシンにある高級ホテルで今夜泊まる予定だ。」

貴方「まさかそこまでタクシーに乗って行くわけじゃないよね。」

イ「当たり前だろ。飛行船に乗るよ。」



私たちはゾルディック家専用の飛行船に乗ってヨークシンに行くことになっている。





…乗ったはいいけど…






私の初めての暗殺、上手く行くのかな…？

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