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それはファーストキスでして。
○
「そんなこと言ったっけ…」
「覚えてないのか」
「うん ……無責任だ」
「……でも、嬉しかったんだ」
焦凍くんは少し頬を綻ばせて言った。
「誰もそんなこと言ってくれなかったから。守る、なんて。かっこいいヒーローになれる、なんて。」
「…大げさだなぁ焦凍くんは」
でも、ありがとう。
私のことをそんなに覚えていてくれて。
今なら幼い頃の私に少し感謝してあげてもいいかもしれない。
「…A」
「?焦凍く…んっ…?!」
焦凍くんは私の顎を掬うように持ち上げたと思ったら……待って。ちょっと待って。
どうして、キスされてるの!?
え!?話の流れ…あながち間違いではないけど待って…
し か も 私 の フ ァ ー ス ト キ ッ ス … !!!!
唐突に奪われて、驚いて胸を押し返すけどやっぱり男の子には敵わない。
いっそう力を込められてあえなく終了。キスも終わらない。
とりあえず焦凍くんの胸をどんどん叩く。多分ダメージいってないけど叩く。
「…ん、〜〜〜っ!!っ!!はぁ、はぁ、なに、」
「……暴れ過ぎ」
「やるならせめて先に言って…!?」
「言ったら逃げるだろ」
「んんんん…!!!!」
そう言われると何も言い返せない。
そして顔を真っ赤にしている私に対して焦凍くんが案外けろっとしていて腹立つ。
「…したくなった」
「…さ、左様ですか」
「したくなったってことは、俺はAが好きってことだろ」
「う、うん…そうなるのかな」
いやリアクションしづらい。
世間のチャラ男は誰とでもキスしたがる(?)けど焦凍くんそんな子じゃないし…信じてもいいんだよね?!
焦凍くんは私のことが本当に大好きってことでいいですかね?!(ヤケクソ)
「Aは?」
「へぁ!?好きです」
「もう一回」
「焦凍くんが好きです」
「……よし」
「…え、ちょ、何録音してるのおおおお!!!!」
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作者名:- | 作成日時:2017年12月9日 6時