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この愛が、恋なのか否か。
○
『もしもし』
「はい。こんばんは、焦凍くん」
帰宅後、宣言通り彼から電話があった。
時刻は午後6時。日の浅い冬。太陽はもうすぐ暮れる。
静かに夜の挨拶をすると、電話の向こうから車の音らしき大きな音が聞こえる。
少し、風の音も。
「…？外にいるの？」
『外っつーか、お前の家の前にいる』
「……！？！？！？」
その言葉を理解するのに数秒。それから私は急いでカーテンを勢いよくシャッ！と開ける。
二階から見下ろした先には、制服姿にマフラーにスクールバッグという、どう考えても寮に帰っていない彼の姿があった。
……まてまてまてまて！！
「焦凍くん！？何しに来た！？門限は！？」
『…下りてきてくれ』
「へ！？」
焦る私を他所に彼は至って冷静な口調で言った。
それはある意味、焦っているようにも聞こえた。哀しそうにも聞こえた。
「……焦凍、くん」
『…A』
＿＿＿下りてきてくれ。
窓越しに私を見上げる彼は、もう一度言った。
無意識に唇を噛み締め、小さく息を吐く。
最近、焦凍くんの事を考えると胸が苦しい。焦凍くんを前にすると緊張してしまう。
それが恋なのかは知らない。けど、
君のそばにいてもいいのかという葛藤と、君を悲しませてしまう罪悪感と、君が好きなのかもしれない迷いが混じっていて、とても苦しくなるんだ。
再び小さな息を吐いて、私は一階への階段を踏みしめるようにして歩いた。
(いろんな気持ちがぐちゃぐちゃだ)
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作者名：- | 作成日時：2017年12月9日 6時
