検索窓
今日:235 hit、昨日:575 hit、合計:4,555,492 hit

○30○ ページ30

スーパーサプライズタイムを開始する。







「はっぴーばすでー」



焦凍くん顔負けの無表情に加え、棒読みで拍手をする。

そしておもむろに鞄から(さっき百均で買ってきた)クラッカーを取り出してパァン!と音を鳴らす。プレゼントを押し付ける。

それが終わって、散らかったクラッカーの中身を回収し、再び拍手をしてトドメの「いぇーー!!!」。以上。


これが、私が放課後に雄英高校の校門で待ち伏せして行った、焦凍くんのお祝いの一連の流れである。


焦凍くんは私が待ち伏せをしていたことに驚いているのか、はたまたクラッカーの音に驚いているのか分からないが、ぽかんと無防備に口を開けて固まっている。

サプライズ成功だ。



「焦凍くん?」


「……ありがとな」


「ん?」


「嬉しい……」



そう言うと焦凍くんは目を伏せて少し顔を赤らめた。染まった頬を隠すようにして、彼の手が口元へ移動する。


わ、わあ。嬉しそう。謎のサプライズなのに喜んでくれて良かった……と何故か私が泣きそうになる。最近涙脆いな。歳かな。


私の顔も熱くなってしまったので、手で隠す。

校門で同じポーズ取って何をやっているんだろうか私たち。傍から見たら変な二人組なので、人がいなくて本当に良かった。



「このクラッカーも大事にするから」


「それはプレゼントじゃないよ!?
あ、えと、時間大丈夫?」


「?どっか連れてってくれるのか?」


「うん。うち」


「……!?」



焦凍くんは一瞬フリーズしたように見えたけど、次の瞬間には「分かった」と恰好良く歩き始めた。

○31○→←○29○



目次へ作品を作る
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (3599 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
5369人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:- | 作成日時:2017年12月9日 6時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。