天使だった幼なじみがハイスペックイケメンになって私を迎えに来た。 (ページ12)

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○12○ ページ12

可愛らしかったのは過去の笑顔。

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焦凍くんに無事帽子を渡し、彼を帰した後、LINEの通知が大変なことになっていることに気づいた。

『イケメンって何！？A彼氏いたの？』

『さっきのイケメン誰なのAちゃぁぁあああん！！！』

『今日の課題って何ページからだっけ？あと、イケメンって誰？』

どんだけイケメン好きなんだようちの学校の女子は！？

未来の夫ですなんて言ったら図々しい上に明日消される気がするので、とりあえず未読にしておく。

やっぱり、焦凍くんは客観的に見てもかっこいいんだなぁと改めて思った。

昔から顔は整ってたけど、どちらかと言えば可愛かったもんな。

なんであんな男前なったんだろう。変わらなかった背もいつの間にやら10センチくらい差がついたし。

……というか本当に私なんかが未来のお嫁さん(笑)でいいのか？あのイケメン、他の人とは感性が違うのか？？それとも昔の記憶が美化されてるのか？？

「雄英にいるであろう焦凍くんファンにボコボコにされそう」

「A、なんか出てきたんだけど」

「んー？」

一人で頭を抱えていると、お母さんが三、四枚程度の写真を持ってきた。

よく見るとそれは幼い頃の私と焦凍くんが写っているもので。

「えぇ、こんな写真あったんだ」

「ほんとほんと。部屋の整理してたら出てきたの。はいあげる」

「あ、どうも」

私に写真を渡してまたさっさと自分の部屋に戻っていった母を横目で見ながら、写真を眺める。

やっぱり昔は笑ってたなぁ。すんごい可愛いなぁ。

満面の笑みでピースをしている幼い彼は、今とは比べ物にならないくらい柔らかい顔をしていた。