キスフレ (ページ44)

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「行きたくない？」

「…いや、そんなこと言ってられないんで」

「ん、ほなあんまり見やんと行こかぁ」

下を向いて歩きだそうとすると「Aちゃんスマホ出して」と呼び止められた
すぐにスマホを出すと、「あと藤井さんって固いし流星でええよぉ」とそのまま角を曲がって歩き出した

後を追って角を曲がると、奥の方に神ちゃんと女優さんが見えた。
遠くてちゃんと見えないけど2人の距離は近い。

「…ふじ……りゅうせ、い、さん」

「Aちゃん、はい」

「あっはい、え？」

差し出されたスマホにはメッセージアプリのQRコード
えっ？どうゆうこと？と戸惑っていると

「Aちゃんの読み取る方がいい？」

「えっいやあの」

「…神ちゃんのオフショット」

「はい、ごちそうさまです」

ずるい、その一言はずるいな。
爆速でQRコードを読み取って、友達登録した。

「え～次ご飯どこ行く～？」

『結局自分が行きたいとこになるんやろ？』

聞こえた会話に顔を上げると、神ちゃんたちの目と鼻の先まで来ていて。
後ろ姿の神ちゃんの腕には、女優さんがべったりくっついていて思わず目を背けた。
そんな私を見て、大丈夫とでも言うように1度目を合わせてから神ちゃんに声をかけた