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「逆に行ってもいいの?」
『もちろん!来てや!』
「じゃあ、行きたい、っす」
やったあ〜、チケット手配しとくわあ!と嬉しそうな神ちゃんをよそに、アイドル姿を見る前に覚悟を決めなければ好きが加速してしまうなと頭を抱えた。
「私電車の時間あるしそろそろ帰るね」
話が弾んで、時計を見ればもう終電2本前の時間だった。
楽しかったし全然帰りたくないけど、成人女性がごねる訳にもいかず軽く片付けを始める。
「あれ、もうそんな時間?神ちゃん今日車だよね?」
『お〜。Aちゃん送るで〜』
「え、悪いし大丈夫だよ?」
『俺は最初からそのつもりやってんけど、いや〜?』
いつの間にか帰る用意を済ませた神ちゃんが車の鍵を揺らす。
今までの経験上、神ちゃんはこうなると断らせてくれない。いや、まだ3回しか会えてないけど。
「せっかくだし送ってもらえば?」
そうしなよ、とユカコ夫婦からも背中を押される。
「ではお言葉に甘えて…」
内心嬉しくてにやけそうでたまんないのをぐっと堪えて、神ちゃんと一緒にユカコ祐輔くん宅を後にした
玄関のドアが閉まる直前に見えた夫婦は、仏のような微笑みだった。
やめろ、小っ恥ずかしいだろ。娘を見るような顔で見るな。
2人は神ちゃんの好み知ってるだろうし、イメチェン察されてるなこれ。
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作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/personal.php?t=ssecret777&scr=novel/tetetetetete1... 作成日時:2019年11月2日 14時