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火葬を終えた棺を開けると、リンの骨は全く残っていなかったそうだ。

まるで、そこに···居なかったように。




そう大声をあげるリンの母親を見て、あたしはただただ立ち尽くし、この人は狂っているんだと思った。






でも今なら分かる。その時にリンはトリップしたのだと。


そして野原リンとしてNARUTOの世界で生きていた。




何故リンのお墓があるのかって、それはただ世間体を気にして。
何も埋まっていない名前だけを彫った墓を用意したのだ。



両親はそこに来ていないみたいで、あたしだけがお参りに行っていた。







何も埋まっていないと分かっていても、どうしてかそこに、リンを感じていたからだ。





「そうだ···リンのお墓··!」


「え?」


「あたしが初めトリップしたの、リンのお墓の前だったし、行ってくる!」


「え!ちょっと待」―――ボフンっ




無理矢理に影分身を解き支度をして家を飛び出した。







―――――――




「よし、綺麗になったよ」




あの日のように、リンの墓を綺麗に磨き話しかける。






「···ねぇ」



「後はどうだったっけ···確かあの時は、、そうだ!急に空が光ったんだよね。」





じっと空を見上げる。


···いや、睨みつけると言った方が正しい。







「何も起こんないし···はぁ。」





「何やってんだろ、あたし···」




ドサッとその場に座り込み、大きくため息をつく。





すぐに帰るのも味気ないので、誰もいない事を確認してその場でチャクラを練る修行を行う。









どれくらい時間が経ったのか、優しい風の音だけが聞こえている。



目を瞑り更に集中すると、小さな虫の足音までもが聞こえてきてまるで自然と一体化したようだった。









?「A···。」






突然の声にハッとし、辺りを見渡す。

あまりに集中しすぎて無意識に影分身でも出してしまったのかと思ったからだ。






「びっくりした、、」




ふぅっと深呼吸して、もう一度目を瞑った。




「いや、待って」


パッと目を開けて独り言を続ける。




「今の声って·····――――――――リン?」





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てた(プロフ) - banana様、コメントありがとうございます!ぜひこれからもよろしくお願いします* (2020年12月12日 8時) (レス) id: eb07f08e0b (このIDを非表示/違反報告)
banana(プロフ) - とてもいい作品でした。続き楽しみにしています。 (2020年11月30日 0時) (レス) id: 7994b8d3a7 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てた | 作成日時:2019年12月11日 20時

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