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私は2年前にこの街に来た。私の地元はそれはもう田舎で、学校なんかほとんどなかった。
尋常小学校を卒業した私は、女学校への進学を決めた。こちらの学校じゃなくて、もっと遠くにある学校に行きたかった。地元を離れてみたかった。新しいものを学んでみたかった。
なんとか親を説得して、やっと来たのが東京だった。
来たのはいいものの、住むところが見つからない。数日なら宿はかりれても、ずっとは無理だ。明日からは学校だし。早く探さないと。
とりあえず夜にもなったので、ご飯を食べに行くことにした。
都会も都会で月だけはキレイだ。特に人がいない時間帯では。
…そう言えば、ここは鬼がよく出ると聞いたことがある。そういう理由で、親は大反対してきた。
私の地元は何百年か前に、村中の人が鬼に食われてしまったことがあった。一時期人が居なくなり、鬼もこの場から離れたとか。そして、唯一生き残っていた私の先祖が再び住民を連れてきて、今のような形になった。村にはたくさんの藤が植えてあり、一年中咲いている。だから私は、鬼に会ったことがない。
鬼のことはよくわからないけど、夜に活動することは知ってる。人もいないし、外に出ないほうが良かったかも。何かあったら……。
「人間じゃねぇか。」
…………。どう見ても人間ですよね私。でもこの方、絶対に人じゃないですよね。明らかに変な見た目してるし。人だったら私を見て「人間じゃねぇか」なんて言わない。
立ち去ろうと後ろへ駆け出す。が、鬼は私の真上を飛んで私の行く道に立ち塞がる。頭が真っ白になる。
「逃がすかよ。」
鬼が飛びかかってくる。肩に長い爪が食い込んでる。…痛い痛い痛い痛い!肩に穴が空きそうだ。
すると突然、鬼の首が斬れた。
…え!?
地べたに転がる生首を見た。初めて見るし、…その…怖い。
鬼はあっという間に消えていった。そして私の目の前には、首を切ったであろう女の人が立っている。まだ若い美しい人だった。この人に助けてもらったんだ。
?? 「肩から血が出ていますね。手当をするのでどこか安全な場所へ行きましょう。」
A「あ、はい。」
私は女の人に手を引かれ、知らない店の個室に入った。
?? 「少々痛みますが頑張ってくださいね。」
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