15 ページ17
A「…あ。」
学校に帳簿を忘れた。
…なんで持っていっているのかと不思議に思うかもしれないが、私は毎日学校でつけてるの。
そろばんがあるからね。
でも、あれがないと困るんだよね。
取りに行くか。
私は店を出た。
もう暗いけど、学校の近くは人も多いし、こんなところに鬼なんか出てこないはず。
それに、学校には先生が残ってるだろうし、大丈夫だろう。
と思った私が馬鹿だった。
「こんなところ一人で歩くなんて馬鹿だよねぇ。」
気持ちの悪い鬼さんが目の前にいる。
はい。私は馬鹿です。
前回は偶然胡蝶さんに助けてもらったけど、今回もだなんて奇跡起こるわけないよね。
帳簿家でつけとけばよかった。
「霞の呼吸…壱の型。」
「垂天遠霞。」
鬼の首が斬れた。
聞いたことのある、安心する声。彼だ。
A「…時透君!」
時透 「A。」
そういえば、今日は任務って言ってたね。助かった。
A「時透君!ありが…。」
時透 「ねぇ、馬鹿なの?」
時透君にほっぺをつねられた。痛い痛い!
時透 「今暗いんだけど?鬼出るって分かんないの?僕がむやみに外出たらだめだよって言わないとできないの?危ないでしょ。鬼だって変な人だって君を狙ってるんだよ?Aに何かあったら…。」
時透君すごく心配してくれたんだ。嬉しい。
A「ありがとう時透君。」
時透 「もうやめてね。」
やっぱり時透君は優しい。
時透 「外に出てきたってことは、何かあったの?」
A「学校に忘れ物をね。」
時透 「そう。…僕も行くよ。」
A「え!?」
だって時透君、今日任務なんじゃ?
時透 「僕の任務先も、君の女学校なんだ。」
A「学校!?なんで!?」
時透 「君たちの学校、夜中に何人もの先生が食われてるんだよ。知らなかったの?」
知らなかった。そうか、だから今日先生が少なかったんだ。
…複雑だな。
あまり関わったことがない先生だと思うけど、私の友達はそうじゃない。
皆、これを聞いたら…。
校舎に着いた。
私は職員室で先生に教室の鍵をもらい、時透君のところへ駆け寄る。
時透 「いい?僕から離れないでね。」
そう言って手を握られた。
時透 「顔赤いけど、緊張してるの?」
A「…!?ま、まぁ…。」
でも、時透君も少し顔赤くない?
116人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ