11 ページ12
はぁ。体がだるい。重たいなぁ。最近寝てないからな。ご飯もろくに食べられないし。食欲がわかない。それにしても、この仕事がこんなに大変だなんて。
胡蝶 「…Aさん、大丈夫ですか?顔色が悪いですよ。」
お客さんに心配されるなんて。駄目だな私。
A「大丈夫です。お気遣いありがとうございます。」
胡蝶 「…最近お忙しいのでしょう?仕事熱心なのは感心しますが、無理はいけませんよ。たまには休んでください。」
A「はい。」
分かってるんだけど…私が休んだら、鬼殺隊の方たちに迷惑がかかるから。そういうわけには行かないんだよな。
慣れてきたつもりだったんだけど、慣れていくほど辛くなってきた。でもこんなの、命がけの鬼殺隊に比べたらどうってことない。私が頑張らないと。
〜時透視点〜
ここ最近任務で忙しかったから、久しぶりに店を訪れた。
時透 「こんにちは。」
…返事がない。今日は学校なのかな。いや、でもお店は開いてる。隊士が来ない時間帯に来たし、うるさい連中もいないから、ゆっくりできると思ったんだけど。
お店に入ってみると、Aが机に伏せて寝ていた。疲れてるのかな。
起こさないほうがいいのかもしれないけど、寝づらそうだから畳に寝かせようと、彼女に触れた。
A「!?」
あ、起こしちゃった。
時透 「ごめん。起こすつもりはなかったんだけど。」
A「…時透君。いや、いいの。ありがとう。寝落ちちゃったみたい。」
学校の勉強をしていたんだ。
…あれ?よく見たら、目の下にクマがある。顔色も悪い。しかも…。
時透 「…A、痩せた?」
前よりも腕が細くなってる気がした。体がだるそう。絶対に無理してる。
時透 「今日はそのまま休んで。お店は閉めて。」
A「できない。」
Aはきっぱりとそう言った。
時透 「頑張り過ぎなんだよ。これ以上酷くなってお店で働けなくなったら、どれだけの人に迷惑がかかると思ってるの。」
君以外になら、心の底からこう思う。でも、君だけはなんだか違うんだ。
皆に迷惑がかかるってことじゃなくて、もっと別のこと。
君になにかあったらと思うと、胸が張り裂けそうになるんだ。
何があっても、僕が守りたいって思うんだ。
忘れるはずなのに、君の名前だけはちゃんと覚えてた。
この気持ち、なんて言うんだっけ。
116人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ