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そこら辺に転がってる石を蹴り上げると壁に当たって跳ね返る。
…やっぱり俺が殺したんだよなぁ。
汐音を作らなければ、Aは生きてた。
どっちの命を取るとか、すげぇ重たい選択をする必要もなかった。
間接的な関与とは言え、俺がAを…。
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子育てして薄れてきていた悔しさが徐々に蘇る。
しんどい。
苦しい。
この想いを消してほしい。
紛らわせるだけでもいい。
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あの女との婚約を破棄してAを選んだら、すげぇ勉強させられたしキツい毎日だった。
それを乗り越えたのに。
またかよ。
また苦しまないといけないって、何。
消えろ。
いっそのことAの記憶ごと消し去りたい。
何もなかったことにしたい。
俺に必要なのは大野フーズでの仕事と、幼馴染のあいつらだけ。
こんな苦しみ要らない。
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店の前に並んでるチャリを蹴ったら、ドミノ式に向こうへ倒れていく。
ついでに近くにあったデカいバイクも蹴り倒した。
すごい音がする。
…知らね。
バイクの横を通り過ぎようとしたら、ちょうど店から出てきた兄ちゃんに呼び止められた。
「はー？ちょ、兄ちゃん何やってくれてんの」
智「…るせぇな、邪魔だったんだよ」
「壊れてたらどうしてくれんだよ！あ？」
智「っせぇな、耳元でﾋﾟｰﾋﾟｰ叫ぶなよ」
兄ちゃんの右手が俺の胸ぐらをつかむ。
っあー、タバコ臭ぇ。
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久しぶりに、右の拳を自分のために使った。
高校生以来だな。
すげぇ快感。
人をぶっ飛ばすことが1番のストレス発散方法。
兄ちゃんは簡単にぶっ飛んだ。
…弱ぇな。
も少し手応えあるやついねぇのかよ。
女はいいや。
体を動かしたい気持ちが勝る。
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血の気の盛んそうなやつを見つけてはわざと喧嘩をふっかけた。
複数人だと尚更気持ちいい。
Aが嫌いだった俺のグー。
Aを守れなかった俺のグー。
なんで。
なんで。
なんで…先に逝っちまうんだよ…。
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智「ﾊｧ…ﾊｧ…、」
完璧な運動不足で息が切れる。
高校生ん時はこんなことなかったのに。
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A…見てる？
俺のグー、こんなに強いんだぜ。
お前はいっつも恐怖の目で見てたよな。
そこら辺に倒れ込んでる野郎共は全然死なねえのに
なんでお前は…。
十数人殴り飛ばした感触が拳に残る。
左手の薬指にはめ込んでる指輪が、ｷﾞｭｷﾞｭｷﾞｭと締め付けてきた。
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チェリー(プロフ) - 汐音ちゃんがどんな風に育つのかがとっても気になります！この作品はお山のてっぺんから見させていただいていて、他にも、ふたまたさとしなども、本当に大好きな作品です！！また、ちおさんの作品まってます！長編作、お疲れさまでございました！！ (2018年3月10日 10時) (
レス) id: a0fb27e534 (このIDを非表示/違反報告)
チェリー(プロフ) - 完結おめでとうございます！！んもーーーーー、本当に！良かった！！の一言です笑 主人公が亡くなってしまってからの智くんの気持ちが痛いほど伝わる書き方、本当に素晴らしいなと思いました！夢で良かった。本当に。 (2018年3月10日 10時) (レス) id: a0fb27e534 (このIDを非表示/違反報告)
ちお(プロフ) - うぴさん» 夢でした！夢の中で得た経験を現実世界でも発揮してくれると思います(^^) (2018年3月9日 16時) (レス) id: 06dd6ecca4 (このIDを非表示/違反報告)
ちお(プロフ) - ちはるさん» ファンだなんて…嬉しいお言葉をありがとうございます！今回の更新で完結となりました。最後まで読んで頂けると幸いです。 (2018年3月9日 16時) (レス) id: 06dd6ecca4 (このIDを非表示/違反報告)
ちお(プロフ) - すりおろし梨。さん» 智くん自身、未だに現実と夢の区別がつかなくなることもあるみたいですが…、夢というオチでした(^^) (2018年3月9日 16時) (レス) id: 06dd6ecca4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ちお
| 作成日時：2017年12月30日 17時
