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「パーソナルカラーって言って、似合う色のことを指すの」
例えば、青や紫のアイシャドウが似合わない人がいる。似合う人は上品な印象になるのに対して、似合わない人は痣のように見えてしまう。
これは肌の色や目の色、顔の輪郭や髪色などその人が生まれ持った色に化粧の色が合っていないからだ。
パーソナルカラーはイエローベースとブルーベースに分けられる。さらにイエローベースは春と秋、ブルーベースは夏と冬に分けることができる。
この色分けの中で自分に合う季節に近い色のリップやアイシャドウを選ぶといいのだそうだ。
「そうなんだ、参考になる。教えてくれてありがとう」
「花澄に合う色は何だろ……ネットとかで診断できるし、後でやってみたら?」
一通り説明したあと、莉世が助言した。
「そうしてみる」
花澄は前世のことを思い出すまで、化粧をケバい、チャラいと思い込み、馬鹿にしてる節があった。化粧や髪を染めていない自分は、游那や莉世よりも上だと思うことで自分を守ってきたのだ。
だが、莉世が思っていたよりも話しやすかったことや、化粧の奥深さに驚いた。化粧をするにも知識は必要だし、綺麗に魅せる工夫も必要。化粧は立派な技術だったのだ。
前世の思いに流されて化粧を覚えていくうちに、不良がやってるままごとという認識を改めるようになった。
今は化粧についてもっと知り、もっと上手くなりたいとも思うようになったのだ。
游那は目立って危害を加えることはなかった。花澄は授業後に安堵の息を吐く。
本人は気づいていないが、大変身を遂げた花澄は今や有名人だ。変身の秘訣を知りたい女子や、可愛い女の子とお近づきになりたい男子が途切れることなく話しかける。
当の花澄は「身嗜みを気にするだけでこんなに変わるんだな〜」程度に考えていた。
今日の花澄は紫恩の家へ行かずに本屋に寄る。昨日教えてもらった問題集を買いに行きたい。
そんな感じで一日置いた翌日紫恩の家に訪問したら「また来たの」と嫌な顔をされた。
対照的に紫恩の母、紫緒里はにこにこと友達を迎えるような笑みを浮かべる。
花澄は紫恩の家に行っても「学校に行こう」とは絶対に言わない。卯美との接点は少しでも減らしておきたい。
紫恩が学校に行けば、いずれ卯美と接点を持つことになる。だから、花澄としては紫恩を学校へ行かせなくなかった。
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紅月まのか - もしかしてツンデレですかね.......?(え)更新日昨日か.......あと1週間待ってます!頑張ってください! (2019年7月21日 7時) (レス) id: b975388040 (このIDを非表示/違反報告)
花杜あみり(星沢想良)(プロフ) - Couteau_1937さん» 直しました! ありがとうございます! (2019年6月29日 9時) (レス) id: bb468dc0cb (このIDを非表示/違反報告)
Couteau_1937 - 細かくてごめんなさい!!「復讐」が「復習」になってます! (2019年6月23日 21時) (レス) id: deb1b5318f (このIDを非表示/違反報告)
ひよ - オリジナルの中で一番好きです!楽しすぎて久また読み返ししてました笑笑更新頑張って下さい! (2019年6月23日 0時) (レス) id: 85d98be7fd (このIDを非表示/違反報告)
りゆ - とても面白くて、楽しみだったので、更新、戻って来てくれると嬉しいです!(>_<) (2019年6月2日 15時) (レス) id: ebc25fbea8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花杜あみり(星沢 想良) | 作者ホームページ:
作成日時:2018年12月25日 16時