久しぶりの夢 ページ36
『ただいまー！』
「おかえりなさいませ！A様！」
あぁ！やっぱり良いなぁ。
ただいまって言って、誰かにおかえりって言ってもらえるのは。
だけど、その時私には突然眠気が襲ってきていた。
最近寝てなかったから、来るとは思ってたけど………この時間帯で？
まだ五時くらいだよ！？
『リグルドさん。帰って来て早々で悪いんだけど、私、今から寝ても良いかな？晩御飯は要らないから』
「そうですか？承知しました」
お迎えしてもらったリグルドさんにそう告げると、私は村にある木の根本に座り込んだ。
ごめんねリグルドさん。私、自分勝手で。
瞼は重くなって意識が遠退いていく。
一度眠たくなると、一気に眠気が襲ってくるのが少し難点だなぁ。
そして、私は目を閉じた。
「貴方！今日はAの誕生日よ！」
「そうだな！A！何が欲しい？お父さん何でも買ってやるぞ？」
ああ。懐かしい記憶。
お父さんとお母さんが事故でいなくなってしまう年の、私の最後の誕生日のお祝いだ。
『ううん。プレゼントはいいの！欲しいものは無いから。強いて言うならね？これからもずっと、お父さんとお母さんと一緒にいたいの！』
数年前の私の姿が第三者の視点で見える。
この頃は、友達がいなくてもまだ楽しかったな。寂しいのに変わりはなかったけど、その分お父さんとお母さんが私を愛してくれたから。
そして、流れるように私のお祝いが終わって、それぞれが自分の部屋へと行く。
待って。私。目を閉じないで。
だって、目を閉じたら、あの日までの時間がすぐにやって来るから。
お母さんとお父さんの笑顔を、見れなくなるから。
だから、目を閉じないでよ……！
私が目を閉じると、場面が紙芝居のように切り替わる。
『う、ううっ。うっ……っく………えぇええぇ……！』
やめて……見たくない……。
それは、私が前世で一番嫌な記憶。
救急車で運ばれても、助からなかったお父さんとお母さん。
そして、霊安室に呼ばれたときの私。
『お母さん……お父さん………っ！』
冷たくなってしまって、それもボロボロになってしまって、もう私を呼んでくれないという現実を突きつけられた瞬間の時。
もう私を撫でてくれる暖かい手はないんだって。一緒にいてくれて幸せな人はどこにもいないんだって。
二人の笑い声はもう、どこにも聞こえないんだって。
そう考えて、一日中涙が止まらなかった日。
二人の姿を今一度見て、私は胸が痛くなった。
それは最悪であり、最低な日だった。つまり、悪夢だった→←赤と青と紫の鬼2
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虚白 - オ モ シ ロ イ‼️ (2022年2月11日 17時) (
レス) @page3 id: 66fd9d0c2f (このIDを非表示/違反報告)
黒（noir） - 飛鳥さん» ありがとぉ！嬉しいです！これからも頑張って書きます！(^o^ゞ (2019年5月12日 20時) (レス) id: db96c10a8f (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - とても読みやすく面白いです！ これからも頑張ってください！(*^ω^*) (2019年5月12日 17時) (レス) id: 6873657524 (このIDを非表示/違反報告)
黒（noir） - トド丸さん» うわぁぁぁぁ！ありがとうございますぅっ！多少ばらつきがありますけど更新頑張りまぁぁぁっす！!щ(゜▽゜щ) (2019年5月12日 16時) (レス) id: db96c10a8f (このIDを非表示/違反報告)
トド丸 - やべぇ、こりゃ天才だぜ。文章書くの上手いですし、続き楽しみにしてます！！頑張ってください！ (2019年5月12日 16時) (レス) id: 4ca7dc8e23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒（noir） x他2人 | 作成日時：2019年5月9日 19時
