族長視点 ページ25
族長side
(バカな！)
あり得ぬ！
我が牙と爪を軽々といなし、我を圧倒するなど！
目の前で満面の笑みを見せる蛇の尾が生えた女。
何故だ。なんのオーラも感じられぬ魔物ではないか！何故我が負けるのだ！
『私の勝ちですね！』
この女は何者なのだ？
何故こうも歯が立たぬのだ！
(お前は何者なのだ！)
『え？種族は混合成獣といいますけど？』
混合成獣だと？聞いたこともない！
『うーん、やっぱりオーラを解放した方がいいのかな……えいちゃんもそう言っているし』
(何？)
次の瞬間、目の前の女から我が身が押し潰されてしまいそうな程の圧力を感じるほどの巨大なオーラが放たれた。
我は本能的に悟った。
この者には勝てぬ………と。
どうあがこうが、群れ全体で掛かろうが一方的に虐殺されるのみ。
今のジュラの大森林の頂点は、間違いなくこの女だ。
ならば、極端な話、この女に勝てば我はジュラの大森林の頂点になれるだろう。
だが、どう足掻こうが勝てるわけがない。
違う。そもそも戦いを挑むこと事態が愚策なのだ。
ならば、取るべき行動は一つだ。
(お前たち)
我は思念伝達を使い、一族全員に言い渡す。
(我はこの女の下につく。この者には群れ全体で掛かろうが倒せぬ。我と共にこの者の下につくならば来い)
(オヤジ殿………！？どうされたのですか！？)
(お前も見ただろう。この女のオーラを……！それに戦ったことで分かった。この女にとって今の戦いは『戦い』ですらない！化け物だ！)
(な、ならば………)
(そうだ。この女に服従し、従うのが良い選択だ。それに、この女についていれば、必ず我らは強くなるはずだ。ならば、服従することに異論はないだろう)
(オヤジ殿。………我らは全にして個なのです。貴方様に我らは従います！)
そして、思念伝達を切ると共に女のオーラが収まって行く。
『じゃあ、お願い事聞いてもらいますね！今後、私達が困ってたら助けてく………』
(我ら牙狼族は、貴方様に従います。何とぞこの忠誠をお受け取りください)
我は地面へと伏せ、女への服従を現す。
この我が他者にこのような真似をするなど、我が誇りの名折れだが、構わん。
女は戸惑いの表情を浮かべるがゆっくりと我へと近づいてきた。
『そ、それじゃあ、これからよろしくね？狼さん………？』
女はしゃがみこむと、我の頭を撫でた。
その手は我と一戦交えたとは思えぬほど、暖かく優しい小さな手だった。
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虚白 - オ モ シ ロ イ‼️ (2022年2月11日 17時) (
レス) @page3 id: 66fd9d0c2f (このIDを非表示/違反報告)
黒（noir） - 飛鳥さん» ありがとぉ！嬉しいです！これからも頑張って書きます！(^o^ゞ (2019年5月12日 20時) (レス) id: db96c10a8f (このIDを非表示/違反報告)
飛鳥 - とても読みやすく面白いです！ これからも頑張ってください！(*^ω^*) (2019年5月12日 17時) (レス) id: 6873657524 (このIDを非表示/違反報告)
黒（noir） - トド丸さん» うわぁぁぁぁ！ありがとうございますぅっ！多少ばらつきがありますけど更新頑張りまぁぁぁっす！!щ(゜▽゜щ) (2019年5月12日 16時) (レス) id: db96c10a8f (このIDを非表示/違反報告)
トド丸 - やべぇ、こりゃ天才だぜ。文章書くの上手いですし、続き楽しみにしてます！！頑張ってください！ (2019年5月12日 16時) (レス) id: 4ca7dc8e23 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：黒（noir） x他2人 | 作成日時：2019年5月9日 19時
