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A視点
ステータス画面を閉じ、美空と愛の方を見る。愛は美空を守るようにして覆い被さっている。それを見た瞬間。頭にノイズが走る。


?「おい!お前どけっ!」

『やだ!っ』
幼い僕がいじめられっ子の上に守るようにして覆い被さっている光景が目に映る。その光景がどこか懐かしかった。

『お前は…誰なんだよ』
分かっているようで靄がかかっている彼の存在にイラつく。一体君は誰なんだ。考え込んでいると、どこからか泣き声がしてハッとする。

『泣き声…こっちからか』
泣き声のした方向に向かうと、茶髪の髪に猫耳が生えた侑菜がいた。

侑菜「…」
侑菜は僕に気づいた途端、警戒する姿勢を見せる。

『そんなに警戒しないでよ。傷つくよ?』
そういうと、僕を睨み続けたままそっと口を開ける。

侑菜「美空は?愛はどこに居るの?」
震えた声でそう聞かれる。答えなんて一つしか無いのに。

『あっちの方にいるよ。あ、でも、もう疲れて喋れないんじゃ無いかな』
そこまで言うと、侑菜が持っていたレールガンを構える。

侑菜「何でこんなことしたの?」
何度目か分からない質問をされる。どの世界でも僕は、誰かにとって悪者らしい。僕がした行動は全てにおいて悪いようだった。

『僕にだって僕の考えがあるんだ。君らには分からない。他人だから』

侑菜「他人だから分からないとかじゃない。侑菜は、何でこんなことしたのかきいてるの。君の気持ちを侑菜達が分かってあげられないのなら尚更、理由を話して欲しい」

『理由なんて無い…』
理由なんてあるわけ無い。今まで何人かに聞かれて答えられなかった。当たり前だ。本能に従ってやっているのに正しい理由があるわけ無いんだ。

侑菜「それじゃあさ、こんなことやめよ?」

『やめる…?なんで?なんでやめる必要があるの?』

侑菜「なんでこんなことする必要があるの?」

『それ、は…』
逆に、質問され答えられなくなる。

侑菜「本当は、こんなことしたくないんでしょ?もう、やめよ?侑菜は分かってるから。悪い人じゃないって事。だから」

『うるさいな!お前に何が分かるわけ?!』
そう言って、侑菜の胸ぐらを掴みナイフを首に押し当てる。

侑菜「こんなことしたって、誰も、得なんか、しない!」
そう言って、僕の胸ポケットからナイフを取り、僕の首に突き刺す。

侑菜「何度でも私が、侑菜が何とかするから。もう、侑菜にはこの道しか残ってないから」
僕の死体を見ながら、ぽつりぽつりとそう話す。

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作者名:みむ | 作成日時:2022年2月13日 21時

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