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美空視点
分かってた。皆が美空の事を必要とするのは能力が強いからだって。美空自身は何も必要とされてなんかいないって。

10歳の頃親に、否。家族に捨てられた。元々、仲が悪かったわけでも無い。ある日。急に政府と名乗る人達が来て、美空の能力について話した。それでも、家族はその時は捨てなかった。

少し遠い公園で、友達と遊んで、帰る途中だった。誰かに口を布で抑えられ、スプレーをかけられた。美空は、そのまま寝てしまった。

起きると、周りには大人達がいた。

A「調子はどう?美空ちゃん」
そう言って、何かの書類を持っている女性が声をかけてくる。

美空「ここは?!ママは?!ねぇ!!」
その時の美空は、混乱していて状況なんか呑み込めていなかった。

B「君のお母さんは君の事をいらないっていってたよ。だから、貰ってあげたんだ」
言葉が出なかった。自分は、捨てられたんだ。それだけは理解した。

それから、注射を打たれたり、何か薬と言って変な物を飲まされたりした。たまに、吐いてしまう時や、全身が痛くなって動けなくなるときもあった。
そんな毎日が続いた。12歳の誕生日までは。

12歳の誕生日の時。ある女の子が話しかけてくれた。ここじゃなくて、あそこで過ごさない?って。友達になろうよって。あそこで、出会ったのが千尋。愛。碧だった。

皆で楽しく暮らしていたはずなのに。碧が突然愛の事を無視するようになった。自分からも離れていった。千尋は、前からあぁだから気にしないで。と言って美空達を慰めてくれた。それでも、家族の事を思い出して震えが止まらなかった。
いつ、捨てられるんだろう。そう思って過ごしてた。そんなときに、倒れていた子を見つけて保護した。それが駄目だった。

計に呼ばれて、会議室にいくと、何人かの人がいて、鍵の破片を貰った。それを絶対にあいつに渡すな。と言って、その場にいた全員に配った。そして、美空と、愛だけが残され、計が、
「二人は、あいつを観察しにいって欲しい」
そう言った。愛も美空もそれを断らず、引き受けた。

会議室から出て、校庭にいき、手を合わせていると碧に声をかけられる。

碧「行くな。計はお前らを見殺しにする気だ!相手は、強い。だから、俺らに任せてお前らは…」

美空「大丈夫!何とかなるから!」
そう言って、碧と別れる。

大丈夫な訳無いじゃん。能力も、こんなんじゃ、捨てられるしかないんだろうな。

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作者名:みむ | 作成日時:2022年2月13日 21時

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