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第佰漆話 ページ10

「……あの時も、言ってましたよね」




確かに、同じことを言った。
だけどそれが私の思う全てだから。
私が天星さんに伝えたい事は……それだけだから。




「……あの時の言葉で、野一色さんが転生者だって確信しました」
「ですよね」




そうだと思ってましたよ。
夢小説とかいろいろ口走りましたからね。
この世界には夢小説はおろか、乙女ゲームすら存在しないですから。




「転生者だって知った時、私……すっごく悔しくて、悲しくて、野一色さんが妬ましくて。
それで野一色さんに対してこんな感情を持ってしまう自分が本当に嫌で……多分私、ヒロイン向いてないんだと思います」




誰でも、そういう感情は持っている。
かくいう私も誰かを羨ましいと思ったり、妬んだりしたことはある。
前世でも……そして、きっと今世でも。
そういう感情を捨てるのは、なかなかに難しい。




「純粋な正義なんて存在しないんです。
誰もが間違えて躓いて、後悔する」




要はこれからどうするかだ。
一時の感情に流されこのまま間違った道を進むのか、自分の間違いを鑑みてそれを正そうと努力するのか。

……別に天星さんはそこまで悪いことをした訳でもないし、私に謝ってくれたのだからここからまた頑張ればいいと思う。
なんて、これは少し上から目線かな。




「こうして話してくれたのだから、今までのことは私ももう気にしてません。
全部水に流して……また一緒に頑張りましょう?」




手を伸ばして、溢れる涙を拭う。
泣き顔も様になってはいるけれど、やっぱりヒロインには笑顔が似合う。
いつものように、可愛らしい笑顔で笑っていてほしい。




「っ……!」
「え、ちょ……」




また、ぽたりぽたりと涙が溢れれる。
泣き止んでほしいのに、余計泣かせてしまった。
こういう時にはどうしたらいいかなんて私には分からなくて……私は終始慌てることしか出来なかった。

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セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ばなな( ?)バナナさん» コメント、ありがとうございます!完結後のことはまだ考えておりませんが、まずは本編を完結させるべく執筆していきますので…更新ペースはゆっくりかと思いますが、ご愛読のほどよろしくお願いします! (8月9日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ばなな( ?)バナナ(プロフ) - いっぱい寿司...この続編とかでキメ学とか書いて欲しい...(ᵒ̴̶̷᷄ ᵒ̴̶̷᷅) (8月7日 5時) (レス) @page34 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - あきらさんさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!天星ちゃんはなんだかんだで私も好きなキャラです笑 更新ペースはゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (7月29日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
あきらさん(プロフ) - 初コメ失礼します!!作者様の書く小説が好きです、このお話もめちゃくちゃ読みやすくて、感情とかがスっと頭に入ってきました!とくに天星ちゃんのオタク?っぷりなところや真剣なところなども好きです!作者様のペースで更新頑張ってください! (7月27日 20時) (レス) @page34 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!愛ちゃんはもう別人と言っても過言ではないですね笑 更新はゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2023年1月6日 23時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2022年7月31日 19時

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