検索窓
今日:3 hit、昨日:40 hit、合計:46,690 hit

第佰参話 ページ6

あれから、色やな人がお見舞いに来てくれた。
みんながこぞって羊羹を持ってきてくれて、私の手元には羊羹がいっぱい。私はそれだけで幸せ。
だけど…やっぱり天星さんの顔を見ることはなかった。

しのぶに聞けば、もう任務にも復帰してるらしいけど……まぁ、考えても仕方ないか。
なるようになる、いざとなれば私から……




「………会いに、行きたくないなあ」




ぽつりと呟き、ベッドに突っ伏す。
いやだって、私から会いにいく理由ある?
余計なこと言った感は否めないけど、別に私が悪いことしたわけじゃないし……




「誰にですか?」
「うわぁっ!!!」




突然後ろから声をかけられ、びくりと肩が跳ねる。
恐る恐る後ろ向けば…しのぶがにこにこと笑っている。
心臓に悪いからやめてほしい、ほんと。




「そんなにビックリしました?」
「………した」
「美華さんは案外怖がりですね」
「そんなこと、ない…と思う」




ドクドクと大きな音を立てる心臓を落ち着かせていれば、またしのぶに笑われる。
誰だって後ろから突然声をかけられれば驚くと思うんだよね、それが考え事してる最中なら尚更。




「それで、誰に会いたくないんですか?」
「………。」
「まぁ、美華さんの考えてることなんて大体わかりますけど」




どうせ天星さんでしょう?と笑う。
そう、その通りなんだけど……私ってそんなにわかりやすい?それともしのぶが鋭いの?




「はい、こちら私からの回復お祝いです」
「これ……」
「美華さんがこの前食べたいと言っていたお店の羊羹です。
甘露寺さんと一緒に買ってきたんですよ」




そういえば言ったっけ、なんて思い出す。
何気なく言ったのによく覚えてるな……それが嬉しくて、少し頬が緩んでしまう。




「これ食べて、頑張ってくださいね」
「………もう少し蝶屋敷にいても」
「ダメです」




気持ちのいいほどの笑顔で断られてしまう。
その後、私はあっさりと蝶屋敷を追い出された。

第佰肆話→←第佰弐話



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 10.0/10 (219 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
760人がお気に入り
設定タグ:鬼滅の刃 , 転生
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - ばなな( ?)バナナさん» コメント、ありがとうございます!完結後のことはまだ考えておりませんが、まずは本編を完結させるべく執筆していきますので…更新ペースはゆっくりかと思いますが、ご愛読のほどよろしくお願いします! (8月9日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
ばなな( ?)バナナ(プロフ) - いっぱい寿司...この続編とかでキメ学とか書いて欲しい...(ᵒ̴̶̷᷄ ᵒ̴̶̷᷅) (8月7日 5時) (レス) @page34 id: 0b7a4ff9a1 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - あきらさんさん» 嬉しいお言葉、ありがとうございます!天星ちゃんはなんだかんだで私も好きなキャラです笑 更新ペースはゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (7月29日 11時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)
あきらさん(プロフ) - 初コメ失礼します!!作者様の書く小説が好きです、このお話もめちゃくちゃ読みやすくて、感情とかがスっと頭に入ってきました!とくに天星ちゃんのオタク?っぷりなところや真剣なところなども好きです!作者様のペースで更新頑張ってください! (7月27日 20時) (レス) @page34 id: af4a079e32 (このIDを非表示/違反報告)
セレーナ・ラフィーネ(プロフ) - にゃーちゃんさん» ありがとうございます!愛ちゃんはもう別人と言っても過言ではないですね笑 更新はゆっくりかと思いますが、これからもご愛読のほどよろしくお願いします! (2023年1月6日 23時) (レス) id: 50bf8bc3a8 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:セレーナ・ラフィーネ | 作成日時:2022年7月31日 19時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。