過去2 ページ16
個性を使った次の日に、兄に問い詰められた。
何をしたのだと。
私はありのままを話した。
兄なら子供の仕方のないことだって思ってくれると。
だが、その思いは脆く最後に残ったのは
ボロボロになった私だった。
「お前は、自分の親になんてことをしてるんだ」
その時の兄の私を軽蔑する顔がずっと頭から離れない。
"私は両親に優しくなってほしかった
兄に悲しい笑顔をさせたくなかった。
でも、その笑顔は私に向けてされていたと
高校生になり気付きました。"
「あんな個性を持った妹…可哀想だ…
あまりにも社会の悪にしかならない個性だ。」
"確かにその通りなんです。
私の個性が悪用されやすいことも、
実際死柄木に悪用されかけました。"
どうしても逃げたくなった。
私を誰も知らないところで、
平凡に生きて、平凡に働きたかった。
結局平凡にはならなかったけど……。
幸せにはなれた。
「……何があったかまで聞くつもりじゃなかったんですけど、ご両親にはこちらで預かることを了承してもらうのは骨をおりましたよ」
"まあ連絡を取ってなかったので。
個性のせいでそんなこと言ってるだけですよ"
そう思って書いた紙を相澤に見せると、
相澤はため息をついたあとビッとAに
指をさした。
「アンタ勘違いしてるぞ」
「あ、相澤先生！？」
「アンタの親は個性なんてもう解けてるってことですよ
アンタも分かってるでしょう？
怪我などを貴方がした場合、個性が解除されるんでしょう」
そうだ。相澤さんの言う通りだ。
ずっと前にもう洗脳は解けていた。
子供の頃の個性はそんなに強力ではなかったらしく、
友達と遊んでいる時にこけたところから
親は正気に戻っていた。
「それでも、アンタの両親はずっと優しくし続けた。
それがなんでか分かってないはずないですよね」
そうだ……。洗脳しても…その時私が言った言葉は
両親には残ってたんだ。
私のためにと思っていたはずのことが、真っ向から
否定された親の気持ちはどうだっただろうか…。
悔いただろうし、同時に悲しくもなっただろう。
でも、それ以上に私を大切に思ってるってことを
分かってもらおうとしたのだろう。
そうやっとこの年になって気づいた瞬間
涙は止めどなく流れ、声は出ないのに、
口を大きく開けて泣いた。
数分後……
高校生や、幼い子のいる前で盛大に泣いた羞恥心だけが残った。
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コロッケ - じわっと涙が出ました、、。主人公がまた、いつか廻と再会できるといいですね、、(地獄でかも、、？)声が無くなってしまったのはとても悲しく思いましたが、お腹の子とも幸せになって欲しいですね (11月18日 18時) (
レス) id: 0002858abd (このIDを非表示/違反報告)
トマトまと(プロフ) - 完結おめでとうございます！ほのぼのしたところもシリアスのところも全部大好きです！！更新楽しみにしてた作品の1つなので終わってしまうのは悲しいですが、完結を見届けられて良かったです！素晴らしい作品を読ませていただき、ありがとうございました！ (2022年10月7日 22時) (レス) @page23 id: 1d9d2ab89b (このIDを非表示/違反報告)
ひな - あわさん まじそれな。基本オリジン組の所をヴィラン側っていう最高！ヴィランのも見たくて探してたんだけどこの作品まじ神！ (2022年6月30日 21時) (レス) @page17 id: 1e13902fd8 (このIDを非表示/違反報告)
あわ(プロフ) - 圧倒的見つけてしまった感(最高) (2022年1月9日 17時) (レス) id: a26e70e8e6 (このIDを非表示/違反報告)
ガムテープ(主食) - この作品がめっちゃ好きなんだ。順位に納得がいかないのは私だけじゃないはず!! (2021年8月29日 17時) (レス) id: b67168fa9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ての | 作者ホームページ：http://tenorishu
作成日時：2020年3月1日 18時
