【リヴァイ】残酷で美しい世界に【進撃の巨人】 (ページ28)

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＃24　改ページ28

「ジゼル、リヴァイ。…お前たち2人を兵士長にしようと思う。
この時期にそんな責任ある職務を与えることを心苦しくも思うが、頼まれてほしい。
仕事が多いからな、それぞれ補佐をする部下を1人つけてくれ、人選は任せる。

……いやらしい話、給料もあがる。ジゼルは引き続き個室だが、リヴァイには集団の兵舎ではなく、新しく個室も与える」

「……人選をこっちに任せてくれるというなら引き受けよう」

「断る」

前者は、もちろんリヴァイ。後者は私である。
責任ある立場になるなど私にには荷が勝つ。到底無理だ。
リヴァイには釣り合いのとれた役職だが、それを私にも与えようなど、エルヴィンはいったい何を考えているんだ。

「ジゼル……」

エルヴィンは私の答えをある程度読んでいたような反応だが、反面、困った顔をしていた。

「個室から集団部屋に落とされても構わない。……私には…無理だ。分隊長も同様にな。
それ以外の仕事なら何でも引き受ける」

それなら分隊長を任せようとしていたのであろうエルヴィンはますます困った顔をした。

「おい、ガキ。久々に顔見たと思ったら、早々にガキっぷりを見せつけてんじゃねぇよ。
こんな状態で、お前はそんなわがままが言えるほどえらいのか」

「ガキで結構です。その役職は私にとって荷が勝つ。
無理です。ふさわしい人間がその役職に就かなければ、意味がない」

「その役職を与えるにふさわしい人間だとエルヴィンが判断したから任せるんだろう。
ガキがわがまま言って困らせてんじゃねぇ。大人しく従え」

「無理なものは無理です。
私に、部下を持つ資格なんてありません。
いろんな人にこき使われるほうが私にはあってる」

自虐的なことを口走っているのはわかっているが、それほどにこの役職は私には重すぎる。
エルヴィンはそんな私たちのやり取りを見ながら何か考えている様子だが、そんなことを考えている場合ではない。

しばらく私とリヴァイの応酬が続く様子を見ながら、エルヴィンが思いついたように声を発した。

「ジゼル、お前の個室は取り上げない。場所を移す。
俺の補佐に就け。今まで通り、俺の下で知恵を絞り、柔軟に動いてくれ。
お前の新しい部屋はそこだ」

エルヴィンの指さした方向を見ると隣の部屋へと続くドアが一枚。

「…キース元団長はそこを物置として使っていたようだが、窓もあるし、広さは十分だ。
これなら引き受けてくれるだろう。分隊長補佐から団長補佐に形は変わるが」