【リヴァイ】残酷で美しい世界に【進撃の巨人】 (ページ3)

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序章03　(長くなりました、これで最後です(汗)) ページ3

大好きなその形が綴られた便箋をめくり、最後に顔を出したのは、まだ黒髪だったころの私。
思わず「美化しすぎだ、阿呆」というつぶやきが漏れるほどに、私の似顔絵は美化されていた。

花の蕾にこれを見せたら思わず花開くんじゃないかと思うほどに美化されたそれを見て、どうしようもなくこみ上げてくるものがあった。

こんな風に私は笑っていたのだな……。

この貧困に喘ぐ街で、ヤシャは私の太陽で、傍にいる私は誰よりも幸せだった。

私は、この時初めて、私の頬に伝う温かいものの正体に気が付いた。思えば、久しく人前で見せたことの無かった涙だ。同時に漏れたのは喉からは聞いたことの無いほど嗚咽。
そうして、みっともなく膝から崩れ落ちる私を、エルヴィン・スミスはまた優しく抱きしめた。

「うッ…ぅ…あああああああっ!」

10になるかならないかの子供のように声を上げて泣きじゃくる私を、それでも、エルヴィンは離さなかった。
私の声が枯れても、涙が枯れても、彼は何も言わず、ずっと＿＿＿＿。

あのころとは違う私の真っ白な頭をスルスルと飽きもせずに撫でたんだ。