＃14 ページ18
「おい、ジゼル。生きてるのか」
抱き起こすと、出血のせいか、すっかり顔が青くなっていた。
反応はないが、呼吸はしている。
それだけ確認し、ジゼルを抱えて回収しようとすると、
「……リン…グ」
とっくに意識が飛んでいるはずのジゼルが、かすれた声でそういうのが聞こえた。
コイツの胸元を確認してやると、いつも下がっているはずのリングはない。
あたりを少し見渡すと、コイツが倒れていたすぐ近くにリングが転がっていた。
「チッ………世話の焼ける…」
リングを拾い、一時的に自分の胸ポケットにしまうと、自分の前にジゼルを乗せる形で馬を走らせた。
エルヴィンのおかげで、門はまだ開いており、すぐになかへ滑り込む。
ジゼルの姿を見て、ハンジはギャーギャー騒いで、エルヴィンは「とりあえず生きていてよかった」とほっとした様子を見せていた。
***
壁外調査の翌日、ジゼルは医務室で未だ意識を取り戻していない状態らしい。
不謹慎ながらもそれは好都合だ。好機とばかりに俺は、朝早くから、エルヴィンの部屋を訪れていた。このリングを死にそうになりながら呼ぶほど大切にする理由をアイツなら知っていると考えたからだ。
「おい、エルヴィン」
「どうした」
「このリング、アイツの指にはずいぶん大きいサイズだが、誰のだ」
「それか…懐かしいな。ジゼルは友人から引き取ったんだが、そのリングはその友人の物でね、ジゼルへの最後のプレゼントとして渡した代物だそうだ。
それを、たいそう大事にしていてね、彼女曰く�猝燭茲蠡臉擇覆發痢蹐世修Δ世茵�
***
部屋に戻り、今日中に渡さなければならない報告書を仕上げ、一息ついていると廊下から、足早に駆ける足音が聞こえる。
そして、数秒後、ノックされることなく、勢いよく俺の部屋のドアが開かれた。
「やっほ〜！リヴァイ、報告書は終わった？」
「ちょうど終わったところだ。うるさいぞ。何の用だ」
「あのね、私、これから外に出る用事があるんだ。
それで、医務室でまだ寝てるジゼルが心配だから様子見るの代わってくれないかな?」
「エルヴィンに頼め」
「行って来たけど、エルヴィンは団長に呼び出されたみたいで、代われないんだ。手が空いてるのリヴァイしかいないんだよ〜!
ね?頼まれてくれるでしょ?」
どうしていつもコイツは……。
「仕方ねぇなぁ……うるさいからさっさと出ていけ。今行く」
「やった〜!!ありがとね」
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作者名：clear | 作成日時：2017年5月5日 21時
