42.玄関。 ページ7
マンションまで辿り着いて、私が「何階？」と聞くと残念そうに「三階」と答える。
階段を昇る大橋くんの後ろに回って、丈一郎さんの背中を支えるようにしながら階段を上がってみる。
役に立ってるのかどうかは分からないけど、大橋くんは「ありがとう」って言ってくれた。
「着いたー！」
三階の端っこの部屋の前、大橋くんが天を仰いだ。
そのコメカミには汗が流れてる。
軽いから大丈夫って言ってたけど、それでも50キロ以上はあるだろうし大変だったはず。
「お疲れ様でした」
「疲れたー！丈くんホンマ起きへんやん！」
丈一郎さんは相変わらず大橋くんの背中でぐっすり寝てる。
「あ、鍵…Aちゃん、俺のお尻から鍵出してくれへん？」
「おしっ…おしり？」
「ケツポケット」
「あ、あぁ！ポケット！」
「左に入ってるわ」
そう言ってお尻まで下がってきてた丈一郎さんをもう一度担ぎ直した。
「失礼しまーす…」
できるだけお尻に触らないように…って気をつけながらポケットに手を差し込み、指先に触れた物をスルッと取り出す。
鍵の先に黄色いスクールバスのキーホルダーがついてる。
「開けて開けて」
「了解です」
ドアの鍵を開けて、チラッと大橋くんを見ると「えぇよ」と言われたから扉も開く。
その扉を押さえると、彼は玄関に入って行った。
「ごめん、丈くんの靴脱がせて貰ってもいい？」
「あっ、うん！分かった！」
私も玄関に入り丈一郎さんのブラブラしてる足からスニーカーを脱がせると大橋くんは部屋の中に進んで、ここからは見えないけどベッドに丈一郎さんを転がしたのかドサッて音と「丈くん、重いわー！」って声が聞こえた。
やっぱり重かったんだ。そりゃそうか。
背中から大橋くんのリュックを下ろしながらふと、ここは大橋くんちの玄関なんだ…と我に返る。
1Kなのか、手前にはちゃんとキッチンのスペースがあって2人用の白い小さなダイニングセット。
大橋くんが入っていったのはその先の部屋。
そっちが生活スペースなんだろう。
キッチンにはたくさん調味料が並んでるのが見える。
「Aちゃーん！」
「あっ、はい！」
「お茶飲んでいくー？」
「えっ！？」
タオルで汗を拭きながら戻ってきた大橋くんがニコニコ笑ってる。
「アハハッ！うそうそ！しつこいって思ったやろ」
「ううん、そんな事は…あ、これ」
リュックを渡すと彼は「ありがと！」と受け取り、ダイニングの椅子に引っ掛けた。
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にゃん(プロフ) - おとさん初めまして！前アカウント？からのファンです。Twitterの方にフォローさせて頂きたくDMさせて頂きたいのですが、DMが閉まっておりました。もしよろしければ、DM解放して頂けると嬉しいです！ご迷惑でしたら、こちらのコメントは削除して頂いて構いません。 (7月19日 21時) (
レス) id: 5c69e09c3b (このIDを非表示/違反報告)
makonguuu(プロフ) - 本当に大橋くんの表情とか言動とかそのまますぎてリアルで妄想できます(*^^*)笑 今後の展開も楽しみにしています！！ (2023年1月4日 22時) (レス) @page21 id: b2e438baf8 (このIDを非表示/違反報告)
浅はか。(プロフ) - 大橋くんの表情がありありと浮かんでくるような表現で主様の書き方大好きです…これからも応援してます（ ; ; ） (2022年9月11日 17時) (レス) @page22 id: 6033dea206 (このIDを非表示/違反報告)
さら☆(プロフ) - AのA担で合ってます!笑青い鳥もお返事しなきゃ!と思いつつ、気付いたらこんなに月日が､､遅くてごめんなさい!返信します!笑そしてこじけん登場!嬉しいです♡笑改めておとちゃんの世界観大好きだなぁ♡!!抜歯と聞いてAさんのお話が浮かんだ私は完全におと担です笑 (2022年9月3日 2時) (レス) @page22 id: 2ea785f477 (このIDを非表示/違反報告)
sonica0309(プロフ) - 早速読みにきました。コジケンくんと大橋くんのやりとりにほっこりです😊大橋くんの姿が目に浮かびました。コジケンくんのお店も実在するんですね、行ってみたい！おとさんのお話に出てくる所を巡りたいです。次の更新も楽しみにしてます😊 (2022年8月17日 18時) (レス) @page22 id: 54d02c515c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おと
| 作成日時：2022年6月6日 19時
