41話 ずっと上にいる ページ42
先輩の方が、私なんかより何十倍もすごい。
そう、改めて感じた。
不「クスッ」
不意に先輩が小さく笑う。
何だろうと目を合わせる。
不「いつもAのおかげなんだよね」
貴「はい?」
不「こっちの話だよ」
貴「え、何それ気になる」
聞き返そうとしたら先輩に遮られてしまう。
私の返しはことごとく防がれた。
私のおかげって、なんだ。
貴「先輩」
不「何でもないよ。本当に何でもないから」
貴「先輩が蒔いた種なのに!」
不「気にしなければいいでしょ」
貴「鬼だ!」
バシン、と手のひらで机を叩いたら思いのほか痛くて、息を吹きかけた。
それを見て先輩が声を出して笑う。
貴「ちっくしょ……あ、そういえば」
ふと思い出したのは、アンダー何とかの合宿のことだった。
貴「先輩たち、アンダー何とかっていうやつの合宿に参加するんですか」
不「U-17ね。そうだよ。今日はその為の手続きとかいろいろしに来たんだ。それって桃に聞いたの」
貴「そうだったんですか。あいつ得意げに話してきましたよ。もうボロクソにしてありとあらゆる絶望を経験させてきてください」
不「それって僕がするの?」
貴「先輩でも高校生の方でもいいです。とにかくフルボッコでお願いします」
不「ほんと、仲がいいのか悪いのか……」
貴「悪いんです」
きっぱり言い放つと、先輩が腹を抱えて笑い始めた。
「そうだね仲悪いね」と言いながら。
腹が立つ。
そうしてしばらく他愛のない会話をしていると、ふと不二先輩が窓の外を見た。
まだ曇ってはいるが雨は上がっているようなので、名残惜しい気持ちを抱えながら、私たちはそれぞれの帰路についた。
…………名残惜しいってなんだ。
197人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葉奈(プロフ) - そうですww作者がにこにー推しですww (2015年5月17日 19時) (レス) id: b46f08eacb (このIDを非表示/違反報告)
ユール - えーと…にこにー? (2015年5月15日 18時) (レス) id: 63bdae9473 (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - ありがとうございます!がんばって更新しますのでよろしくお願いします!! (2014年11月30日 18時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
yunyun - 合格、おめでとうございます。本当に良かったですね。更新、楽しみにしてますね。 (2014年11月30日 15時) (レス) id: 329a32a11c (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - 雪代さん» ありがとうございます!!! 頑張りますのでよろしくお願いします! (2014年11月10日 22時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葉奈 | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時:2013年10月27日 21時