32話 偉大な人たち ページ33
慰められるのが嫌で、私は重い気持ちで部員たちのもとへ向かっていた。
延長が行われ、私は結局負けてしまった。
集中力が足りなかったのだ。
あそこで音が鳴らなければと、いつまでも引きずって、苛立ってしまった。
完全に私が子供だった。
貴「はぁ……」
とは言うものの、悔しいものは悔しい。敗因がわかっているからこそ。
やっぱり、まだまだなんだな。
更衣室で制服に着替え集合場所に行くと、部員はみんな揃っていて、あとは私を待つだけの体制となっていて、すごくいたたまれない。
どうしていいか分からずに手前で立ちすくんでいると、後ろから誰かに押され、前のめりになる。
転びそうになるのをどうにか抑え、私は混乱しながらも後ろを振り返った。
貴「あっ」
「よー」
「おつかれ！」
先輩たちだ。
男子の先輩も女子の先輩も見に来てくれていたようだ。
きっと気を使って、最後まで会いに来なかったのだろう。
貴「お、お疲れ様です」
「惜しかったねー」
「あそこで音慣らしたやつマジ馬鹿だろ」
「な。そういう奴ほんと来ないで欲しい」
私にそれぞれ労いの言葉をかけたあと、口々に文句を言っていた。
どうやら、私より先輩たちの方がお怒りのようだ。
「まーでも、見事に立て直せなかったねー、A」
貴「面目ないです……」
話の矛先が私に向き核心を突いてきたので、うなだれながら先輩に返す。
先輩たちだったらすぐに切り替えて次に集中できただろう。そういうことのできる人たちだ。
本当に、まだまだだな、自分。
「おーおー。あのAが精神的にダメージ受けてるよ」
「めっずらしー」
「写メっとこう」
「じゃあ俺も」
「あとで送って」
貴「やめてくれます!? 私一応今負けてきたんですけど!?」
ふざける先輩たちに向かって叫ぶと、「すみませんでしたー」と風船よりも軽い返事が返ってくる。マジでなめてんなこの人ら。
「でも、泣きはしないんだね」
貴「まあ、泣けるほど完璧な内容ってわけじゃないので」
「はいでましたエリート発言」
「ムカつくわー」
そう言いながら、先輩たちが私の頭をぐしゃぐしゃとかき回す。
慰められてるな、私。
なんか悔しい。
貴「あー、もう！ 私行きますからね！ 先輩たちの相手してるほど暇じゃないんです！ つか2位だし！」
「へいへい」
「すんまっせーん」
「お得意のツンデレか」
うるさい先輩たちを押しのけて、部員のいる場所まで走る。
やっぱり、先輩って偉大だ。
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葉奈(プロフ) - そうですww作者がにこにー推しですww (2015年5月17日 19時) (
レス) id: b46f08eacb (このIDを非表示/違反報告)
ユール - えーと…にこにー？ (2015年5月15日 18時) (レス) id: 63bdae9473 (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - ありがとうございます！がんばって更新しますのでよろしくお願いします！！ (2014年11月30日 18時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
ｙｕｎｙｕｎ - 合格、おめでとうございます。本当に良かったですね。更新、楽しみにしてますね。 (2014年11月30日 15時) (レス) id: 329a32a11c (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - 雪代さん» ありがとうございます！！！ 頑張りますのでよろしくお願いします！ (2014年11月10日 22時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時：2013年10月27日 21時
