30話 いちいちムカつく ページ31
貴「はぁ？」
何を言っているのか分からず、私はついテレビの画面から後ろでゲームを観戦していた兄に視線を移した。
その当の由良はというと、いつものようにソファにふんぞり返りながら、ふわぁと大きなあくびを漏らしていた。
貴「なにいってんのお前。まずその……アンダー、なんとか合宿ってなんぞ」
由「アンダーセブンティーンね。一発で言ってもわからないAも可愛いよ！」
貴「死ねカス。くだらねえこと言ってねえでこっちの質問に答えろや」
由「その対応にはもう慣れたよ！ だから、その日本代表候補に選ばれたから、しばらく帰ってこないよって話。ギリギリでAの全国見にいけないのが悔しい!! 母さん！ ちゃんとビデオ撮っておいてね!! 写真も撮って、俺のパソコンか携帯に送って!!」
由良の叫ぶような声に、キッチンで夕飯の洗い物をしている母が「わかってるわよー」と呑気な声で返す。
だが私は、まだコイツの考えがよくわかっていなかった。
貴「いやお前、高校は部活やりたいつって全然日本ランキング上げてねえから、部活引退したら世界ランキングに入るために国際試合とか片っ端から出るつってたろ。プロはどうした」
背を向けているテレビから、ゲームオーバーのBGMが流れているが、もはや今の私にそんなものは関係ない。
由良は部活と部活の仲間が大好きで、引退するまでは部活に専念していた。
世界と戦うチャンスはあったものの、ずっと『高校の部活』を優先してきたのだ。
由良は、高校に上がる前からプロを育成している海外のクラブから声がかかっていた。
せっかく、やっと引退して、プロになる夢を追っているというのに。
そんな私の思いを分かっているのか分かっていないのか、由良はいつものヘラヘラとした笑みでこちらを見ている。
由「だいじょーぶ。だって『U-17日本代表候補合宿』だぜ？ そこで選ばれりゃ、世界に通じる。海外のコーチに誘われてたけど、そのこと言ったら、オッケーだしてくれたし」
貴「……」
由良はそう言うけど、余りにも呑気すぎる。
プロのスポーツ選手というのは、一部の例外を除き、大体が20代、または30代前半で引退する。
体力の限界が来るからだ。
だからこそプロになる夢を持っている人たちは、10代の頃からそれに向けて努力しているんだ。どんなチャンスもモノにできるようにと。
……なのに、こいつは。
由「大丈夫だよ。ありがとな、A」
由良はそう言って、ふわりと私の頭を撫でた。
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葉奈(プロフ) - そうですww作者がにこにー推しですww (2015年5月17日 19時) (
レス) id: b46f08eacb (このIDを非表示/違反報告)
ユール - えーと…にこにー？ (2015年5月15日 18時) (レス) id: 63bdae9473 (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - ありがとうございます！がんばって更新しますのでよろしくお願いします！！ (2014年11月30日 18時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
ｙｕｎｙｕｎ - 合格、おめでとうございます。本当に良かったですね。更新、楽しみにしてますね。 (2014年11月30日 15時) (レス) id: 329a32a11c (このIDを非表示/違反報告)
葉奈(プロフ) - 雪代さん» ありがとうございます！！！ 頑張りますのでよろしくお願いします！ (2014年11月10日 22時) (レス) id: 884e662617 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：葉奈 | 作者ホームページ：http://uranai.nosv.org/u.php/hp/hana1/
作成日時：2013年10月27日 21時
