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結局、先輩に言われるまま予定を入れなかったプロム当日。
クラスメートたちはそれぞれに一緒に行くパートナーを見つけているらしい。
先輩は有名人だから聞きたくなくても聞こえてしまう噂によると、パートナーを願い出た人は誰一人としてOKしてもらえなかったそうだ。
「どっちつかずだな、私……」
先輩の想いに応えられないなんて思うくせに、先輩から届いた「迎えに行くから待ってろ」という連絡に大人しく待っているなんて。
はっきりしなきゃ申し訳ない。
わかっているのに。
先輩の傍を離れたくない本音が顔を出す。
「はあ……」
大きくため息を吐く。
そうしたら、先輩から到着の連絡が届いた。
外に出て来い、という連絡を受けて私は家を出る。
「よお、A、待たせたな」
「なっ」
そこで私が見たのは、それはそれは立派なリムジンだった。
「先輩、これ……」
「迎えに行くつったろ」
「なにもリムジンで来なくても！」
「これからプロムに行くんだぞ？好きな女迎えに行くのにリムジンの一つも用意しなきゃ男が廃るだろ」
「えぇ……」
「ほらこい」
「わあっ」
強引にリムジンに押し込まれて車が走り出す。
隣に座る先輩はなんだか上機嫌だ。
「私、プロムは……」
「時間とお金の無駄だって？心配すんな、なんのために俺様が迎えに来てやったと思ってるんだ」
先輩はニヤリと口角を上げる。
楽しげな横顔を見ると、私は文句が喉でつかえてしまった。
「いいから黙ってついて来い。悪いようにはしねぇよ」
先輩が悪いようにするなんて思ってない。
私は一瞬だけ悩んで、けれどこくんと頷いた。
だって待っていたのは私。
心は最初から決まっている。
煌びやかに飾られたプロムの会場。
その入り口で私は固まっていた。
「なにしてんだ行くぞ」
「でも……こんなの私似合いませんって」
「心配しなくてもこの世で一番綺麗だっつの。俺様がいいって言ってんだから自信持て」
「でもっ」
「行くぞ」
先輩に手を引かれてリムジンを降りる。
もうすでににぎやかな声が聞こえているプロムの会場に足を踏み入れると、会場中の視線が私たちに向いたのが分かった。
ああほら、先輩ってば目立つから。
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iCHiKA(プロフ) - tubinさん» コメントありがとうございます！そして、嬉しいお言葉をありがとうございます！お楽しみいただけたとのこととても光栄です。今後もお楽しみいただけるよう頑張らせていただきますね！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
tubin - すごくおもしろかったです！！ 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください！！ (2021年8月22日 20時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - にゃんちきさん» にゃんちき様、いつもありがとうございます！糖度高めを目指して頑張ったお話でしたが、お役に立てたようで良かったです。こちらこそご賞味ありがとうございました。 (2021年8月21日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちき(プロフ) - 最近疲れ気味だった私には翔さんの甘さが最高のご褒美になりました。ご馳走様でした( ´ω` )/ (2021年8月19日 19時) (レス) id: 64ed16a329 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年8月15日 14時
