無口で強引、夢中につき【S】 ページ28
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「えー、櫻井さん？顔は良いけど、無口だしちょっと暗いし……無理かなぁ」
「そうかなあ？顔がいいから良くない？」
「でも話合わなそうなんだもん」
「確かに……加西さんは？」
「え、ごめんなにが？」
ぼんじりを頬張っていた私は突然話を振られて顔を上げた。
ビールジョッキを手にした同期の女の子たちはあきれ顔で私を見て同時にため息。
「はあ……また聞いてなかったの？」
「ごめん、焼き鳥に夢中で」
「女子としててどうなの」
「大ジョッキでビール飲んでる二人に言われたくないんだけど」
私が指さすと彼女たちは半分以下に減ったジョッキの中のビールを見つめて数秒沈黙。
そののち何かを振り切るようにグビっと残りのビールを煽り始めた。
「ぷはっ……いいのよ細かいことは。あー、彼氏欲しいー」
「飲むとそれしか言わないよねあんた」
「アンタも一緒でしょ。加西さんも欲しくない？彼氏」
「いいえ、私は特に」
「無欲だねー」
ガタンと彼女たちが大ジョッキをテーブルに置くと店員さんがさっとそれを片付けていく。
その向こうに一緒に来た残りのメンバーたちのテーブルが見えた。
「でも、一番顔がいいのは櫻井さんでしょ。あ、あと相葉さんも。ツートップ」
「それは認める」
彼女たちはそっちのテーブルを見ながらひそひそ声で言葉を交わした。
私は向こうのテーブルで一人黙々と枝豆をつまんでいる渦中の人物を見て、それから彼女たちに視線を戻す。
二人の視線はまだ向こうに向いていた。
「お二人とも、次飲まなくていいんですか」
「そうだった。すみませーん、大ジョッキで生追加で！」
「私も！」
よく飲むなぁこの人たち。
そう思いながらも私は二人の話題と視線が彼から逸れたことにほっとする。
彼と目が合った。
黒縁眼鏡の奥で瞳が瞬く。
すぐに視線は逸れて、彼はビールをグビっと飲み干し始めた。
「ねぇ、加西さん」
彼から視線を外して次の焼き鳥に手を伸ばしていた私は男性の声に名前を呼ばれて手を止める。
「あれ、相葉さん」
「俺ここ座っていい？」
「どうぞ」
四人掛けテーブルのため空いていた私の前の席に彼女たち曰く会社のツートップイケメンの片方、相葉雅紀さんが座った。
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iCHiKA(プロフ) - tubinさん» コメントありがとうございます！そして、嬉しいお言葉をありがとうございます！お楽しみいただけたとのこととても光栄です。今後もお楽しみいただけるよう頑張らせていただきますね！ (2021年8月24日 20時) (
レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
tubin - すごくおもしろかったです！！ 無中になって読んでました!! 続きがすごく楽しみです!! 応援してます!! これからもがんばってください！！ (2021年8月22日 20時) (レス) id: 73a03e30c5 (このIDを非表示/違反報告)
iCHiKA(プロフ) - にゃんちきさん» にゃんちき様、いつもありがとうございます！糖度高めを目指して頑張ったお話でしたが、お役に立てたようで良かったです。こちらこそご賞味ありがとうございました。 (2021年8月21日 20時) (レス) id: ca4476f6fd (このIDを非表示/違反報告)
にゃんちき(プロフ) - 最近疲れ気味だった私には翔さんの甘さが最高のご褒美になりました。ご馳走様でした( ´ω` )/ (2021年8月19日 19時) (レス) id: 64ed16a329 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：iCHiKA
| 作成日時：2021年8月15日 14時
