はじめましての久しぶり ページ33
寄り添っては離れてを繰り返す波の感覚に虚しさを感じて
目の前の水平線から目を逸らすと、
オレンジのタイダイTシャツに短パンの男性が
ゆっくりとこちらに向かって来るのがわかった。
その色は数時間前に見た夕日に似ていて
｢さっきぶりやね｣
聞き慣れた声、でも初めて聞いた声。
『はじめましてのつもりでおったのに』
こうなった今、年も誕生日も知っているわけだけど、
私はアイドルの安田章大じゃなく、一人の男性として彼を見ている。
年の差だってめまいがするレベルだし、彼を知ってるという事実は消せないけれど
私は人間として彼が気になっているのだから、
それを止めろというほうが難しいに決まってる。
｢でも前にな、ここでAちゃんの歌、聞いてるんやもん……｣
気にせずに零れた、敬語なんぞほっぽり捨てた答に、
彼は、嫌な顔一つせずいつも私の名前を呼ぶ声で発音した。
『じゃあ、久しぶりが正しいんとちゃう？』
｢んー……、ほんまやなぁっ！｣
これでいいんだと言わずとも伝わっている
｢そうや！お礼言わな。あ、そうそう、歌！歌の話聞きたいねんて｣
お決まりのパターン
『いや、ゴメンな。お礼気になってもうてあかんわ』
そう言う私は笑っていた。
さっきまで心を蝕んでたモヤモヤは安田さんの魔法で消化されたんだろうな
｢なんも降りてこんくなったとき、その歌声聞いてできてしまった曲がある｣
『あ、できてしまったんや〜へぇ〜』
｢なんかちゃう！あってんやけどちゃうんやてぇ〜……
あーっとなぁ、何言おうとしたか忘れてしもたっ｣
そっから20分かけて制作秘話を聞いたのだが、3回は途中で私に歌わせようとしてた。
力になれてた、昔出会っていたという本人からの証言で、
私の心は月にも負けない明るさを保っていた。
＊
そっか。歌を知ってたのは、そういうことやったんや。
じゃあ、私が勝手にハモってた歌声も、安田さんやったんやね。
あの時元気を、生きる希望をくれたんは、あなたやったんね
じゃあ、これをさ
『運命って呼んでいいやんな？』
＊＊＊
｢ずっーと続く運命の序章やとええな〜｣
『序章の章大的な？』
｢何それおもんないわぁ〜｣
そういう彼の横顔は、
かつて見たことない複雑な色を瞳に映しながら
柔らかく笑っていた。
ラッキーソング
涙の答え
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ふわぽむ(プロフ) - まりあさん» はじめまして！ありがとうございます。続編のほう、前向きに検討して行きますね！！まりあさんにお楽しみいただけますよう前進いたします。また是非覗きに来てくださいね (2019年8月17日 1時) (
レス) id: b17a885bb5 (このIDを非表示/違反報告)
まりあ(プロフ) - 初めまして！いつも更新楽しみに読ませて頂いてます。2人の続編を是非読みたいです！大変だとは思いますが楽しみに待っています。 (2019年8月16日 23時) (レス) id: 9550e0f14e (このIDを非表示/違反報告)
ふわぽむ(プロフ) - ま り ゅ 。さん» 力になれて幸せでございます(*^-^*) (2019年8月16日 23時) (レス) id: b17a885bb5 (このIDを非表示/違反報告)
ま り ゅ 。(プロフ) - ふわぽむさん» 別垢で夢を書いているのですが 、思い通りに書けないので … そういうときにもこの作品を読ませていただいて気分転換させてもらってます ！！ 本当に感謝しかないです … (2019年8月16日 23時) (レス) id: 175c974560 (このIDを非表示/違反報告)
ふわぽむ(プロフ) - ま り ゅ 。さん» ありがとうございます。すごくすごく嬉しいです！！お手本だなんて、もったいないお言葉……まりゅさんに楽しんで頂くためにも、もっと頑張ります！ (2019年8月16日 23時) (レス) id: b17a885bb5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ふわぽむ | 作成日時：2019年7月14日 17時
