# 9-5 ページ45
♡
「てごし...」
病室に戻ってから、ずっと黙っていたまっすーが口を開く。
「まっすー？どうしたの...？」
そう問いかければ、また黙り込んでしまう。
「まっすー。俺には気遣わなくていいんだよ」
って、優しくさすった背中は少し震えていた。
「てごし... ごめん、っ、おれ、...」
「まっすー、どうして謝るの？まっすーは何も悪いことしてないでしょ？」
「でも、もし、かしたら、っ、ライブ、できないかも、しれないっ...」
せっかく半年間頑張った治療は、全部振り出しに戻ってしまった。
また半年、しかも今度は入院しなければいけない。NEWSの活動だって、出来ないかもしれない。
そりゃ不安で仕方ないに決まってる。
でも、大丈夫だよ、なんて、そんな簡単なことは言えなかった。
「まっすーはさ、ちょっと頑張りすぎちゃったんだね。きっとゆっくり休みなさいってことなんだよ。
ライブなんて、また元気になれば出来るんだから。俺はずっと待ってるし、ずっとまっすーの隣にいさせてよ」
焦らなくたっていい。時間がかかっても、俺はどこにもいかないよ。
絶対ひとりぼっちになんてさせないんだから。
「おれ、っ、また、がんばれる、かな？」
そう言って俺を見た瞳には涙が溜まっていた。
「無理に頑張らなくていいんだよ。もう、充分頑張ってるじゃん。ゆっくりで大丈夫。少しずつ、治していこう。ね？」
すっかり泣き出してしまったまっすーを、優しく優しくなだめる。
泣いたっていいんだよ。弱さ見せてくれたって。
仕事はもちろん大事だし、ライブだってもちろんやりたい。
でも、そんなことより、まっすーが元気でいてくれなきゃ意味ないんだから。
昔からずっと、NEWSでいるときは甘えたりしないのに、俺ら2人でいるときは甘えてくれるの、すごい嬉しかったんだよ。
だからこんな時こそ、もっと甘えてよ。
「おそくまで、ごめんね... もうかえって、いいよ。あしたも、しごとでしょ？」
ほらね。そうやってまた1人になろうとするんだから。
「大丈夫、まっすーが寝るまで帰らないよ」
どうでもいいよ。明日のことなんて。
このまま大切な相方を置いて帰れるわけないじゃん。
「...ありがとう」
まっすーが静かに寝息を立てるまで、その日はずっとそばにいた。
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未来(プロフ) - なんだか読んだ覚えあるな、と登山の内出血のところで気づいたのですが、ほんならまた来世でなっていうのと被ってるのですね！（そちらの方はこの前読んだんです！）素晴らしい作品ですね、いつのまにか泣いてます(笑) (2020年5月16日 2時) (
レス) id: 8bbaf315cc (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - みーぽんさん» 了解です ！これからも頑張って下さい d(^_^o) (2020年4月4日 0時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
みーぽん(プロフ) - かのさん» ごめんなさい、単なる誤字です。笑 ご指摘ありがとうございました(^^) (2020年4月3日 23時) (レス) id: 009673d39a (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - みません。 (2020年4月3日 23時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - こんばんは、いつも楽しく読ませてもらっています。気になる点があったので、コメントしました。 ＃3-5のお話で｢くつろいがせてもらっていたら、｣という表現があるのですが、｢くつろがせてもらっていたら、｣の表記の方が正しい気がします。私の知識不足だとしたらす (2020年4月3日 23時) (レス) id: a1c36b0d98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みーぽん
| 作成日時：2019年8月18日 1時
