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1話 ページ4




此処は草木に囲まれた小さな墓地。海やヨコハマの街を見下ろせるこの場所が好きでよく此の場所に入り浸っている。


先客が居る事が殆どなく静かな所も気に入っていた。


いつも手ぶらで来ているが、悼む気持ち位は持ち合わせていると云う心持ちで彼の墓石の前で手を合わせている。


今日も手を合わせようと彼の墓迄赴くと、其処にはいつもと違い花が添えられていた。


「安吾かな? でも、赤い花って珍しい…」


そうぼんやりと呟いた時だった。


「こんな処に居ったかA‼︎」


静かな墓地には似合わない声量で名前を呼ばれた。


「太宰と云いお前と云い、お前達は此処が好きだな」


名前を呼んだ彼___国木田さんは律儀に墓石に手を合わせてから話す。彼にとっては皮肉のつもりだったのだろうが、特段気にはならなかった。


こう云う所が彼を怒らせるんだろうなと何処か他人事のように考えていた。


「国木田さん、わざわざお迎え有難うございます」


「…呑気だなお前は
 今はそれどころじゃない、社に戻るぞ」


慌てた様子の彼に、又ポートマフィアが攻め入ってきましたかと冗談を投げかけてみたら、彼の顔は一段と険しくなった。


「事態はもっと深刻だ 兎に角戻るぞ!」


強引に腕を引っ張られ、初めて此れは不味そうと思った。


何かが始まる、然も良くない事が。そんな予感がした。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
Aちゃんの国木田さんへの好感度は結構高いと思います。

国木田さんは太宰さんよりはマシかなくらいの認識。

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作者名:手羽さき x他1人 | 作者ホームページ:   
作成日時:2019年8月26日 22時

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