恋色 2 (ページ10)

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ar side

クリスマスが終わると、街は一気にお正月モードへと突入していた。

昨日までは愉快な音楽で溢れていたはずなのに、雰囲気はがらりと変わっていた。

それと同じく、俺の気持ちも昨日とは少し違っているような気がしていた。

昨日涼介に言われた通り、難しく考えすぎていたのかな…

考えたところで、俺のいのちゃんに対する気持ちは変わらないわけだし。

なんとなく軽くなった気持ちで、バイト先へと続く道を進んだ。

「おはよ、大ちゃん」

マフラーに顔を半分埋めながら、信号待ちをしていると、いのちゃんの声が後ろから聞こえた。

「あ、おはよう、いのちゃん」

「大ちゃん猫背になってるよ」

「だって、寒いんだもん」

両手をポケットに突っ込んで、できる限り身を縮めていた。

「昨日さ…」

「うん…あ、信号変わったよ、」

歩行者用信号が赤から青に変わり、俺は歩き始めた。

「……」

「ごめん、昨日が何？」

俺の後から道を渡るいのちゃんを振り返った。

「あ、ううん。何でもない。クリスマス…終わっちゃったなぁと思って」

「うん。いのちゃんは………サンタに何お願いしたの？」

"昨日は何してたの？"

とっさにそう言いそうになった。

「ふふっ、大ちゃんはサンタ信じてるの？可愛い、」

「は⁈サンタいるし！あっちの…ほら、、ヨーロッパの方？とかに…」

いのちゃんが急に可愛いとか言い出すから、途中から自分でも何言ってるのか分からなくなった。