10 ページ10
in side
『ねぇ、いのちゃん。ちょっと来て』
いつものようにお弁当を持って大ちゃんのところへ行こうとすると、廊下から知念くんの声が聞こえてきた。
隣にいる山田くんと2人で、俺のことを手招きしていた。
「あ、ごめん…今から行こうと…」
『いいから、いいから、、こっち』
そう言われて2人についていくと、屋上に続く階段まで来ていた。
「えっと…大ちゃん、は？」
『大貴はいないよ…』
2人にゆっくりと詰め寄られ、ジリジリと後退りをすると、背中と壁はいつの間にかピッタリとくっついていた。
え……
何、、する、の…
知念くんの手が突然伸びてきて、思わず目をギュッと瞑る。
大…ちゃん…
ん？
あれ？
殴られるのかと思ったその手は、ふわりと俺の前髪をかき上げた。
『やっぱり…ちょっとメガネも貸して』
抵抗する暇もなくメガネを奪われると、視界が開けた俺の前には、驚いた顔をした知念くんと山田くんが立っていた。
「あ、、あの…」
『いのちゃん……めっちゃイケメンじゃん！』
「え……」
えと、イケメンが俺のことをイケメンって言ってる？
ちょっとよく、、分かんない…
「あーーー！！ちょっと待ったぁ！」
状況が飲み込めずにいると、大ちゃんが叫びながらこっちに走ってきて、俺の前に立ちはだかった。
「み、見てないよな？」
『何を？』
『いのちゃんがイケメンだっていうのは分かったよ。ね？涼介』
『何で大貴はずっと黙ってたの？』
「別に……教える必要、ない…だろ」
どうしよう…大ちゃんが俺のせいで困ってる。
大ちゃんは俺のために黙っててくれただけなのに…
「大ちゃんは…悪くなくて、その…俺、、こんな顔だから…だから、見せたらみんなに迷惑かかるって…それで…」
『え？いや…』
『待って、いのちゃん。何か勘違いしてる…』
「え、、、」
どういう…こと？
「しょうがないじゃん…誰にも見せたくなかったんだから…」
俺の前に立ってる大ちゃんを見ると、何故か耳を真っ赤にしていた。
『こんなイケメンないのちゃんを、みんなの前に晒したらモテちゃうって思ったんでしょ？』
えっと…知念くんの言ってる意味がよく分からないんだけど…
『大ちゃんは、＿＿＿』
？？
山田くんが大ちゃんの耳元で話すから、途中からよく聞こえなかった。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 180人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Tea time(プロフ) - 0415さん» はじめまして。感想ありがとうございます (2021年1月10日 18時) (
レス) id: 6bab8075cd (このIDを非表示/違反報告)
0415(プロフ) - Tea timeさま、はじめまして。太陽と青い月とても面白いです！続きも楽しみにしています〜(*´▽`*) (2021年1月10日 17時) (レス) id: ea10255acc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Tea time
| 作成日時：2021年1月7日 15時
