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5.トラウマ ページ5

「どう見ても卑怯です」
「アッツ...!!?」
「ってかなんだテメ...どっからわいた!?」

テツくーーーーーん!!

あの集団の中に一人で乗り込んでいくなんて無謀だ。無謀すぎる。この人たちみたいに殴られたらどうしよう。

なんてソワソワしながら、殴られて血が出ていた高校生たちに手当てをしようと視線を移すと、見覚えのある制服に思わず手が止まった。

「...え、海常の制服...ってあれ?」
「も、桃井さん!?」

まさかのクラスメイトにびっくりして目を見開けば、知り合いの登場に安心したのか、目の前の彼らは僅かに顔を綻ばせた。

しかし、そんな安息も束の間。突然捻りあげられた腕に振り向くと、いつの間に近くに来ていたらしいガラの悪い集団のリーダーと思われる人物に無理矢理立たせられた。腕に食い込んだ大きい手が痛い。

「な、んですか」
「桃井ってさぁ、もしかして、さつきちゃんと兄弟だったりする?」
「......違います」

胸くそ悪い言葉に顔を顰めれば、心底嬉しそうに笑う男の人。

「やっぱりそうなんだ。弟とか?...でも、あんまり似てないね。お姉ちゃんのほうが可愛い」
「だから違うって、」
「ねね、さつきちゃんのメアド教えてよ...ってなに泣いてんの?」

ーーー痛い。こんなの殴られたと同じだ。血が止まらない。

まだ癒えていない傷をえぐられて、目に涙を一杯溜めているわたしの滑稽さが大変お気に召したらしい。静かなストバスコートに不快な乾いた笑い声が響きわたった。

「Aさんっ!」

後ろから走ってきたテツくんがわたしの耳を塞ぐと、そのまま庇うようにその場にしゃがみ込む。聞こえていなくても、心にこだまする言葉に溜まっていた涙が溢れた。...二年経っても変わらない自分のメンタルの弱さに自嘲的な笑みが零れる。もっと強くならなきゃ。

「テメーなにフラフラ消えてんだよ」
「Aクン、ミーティング前にどっか行かないでくれる?探すのオレなんスから」

タイミングよくやってきた強面のチームメイト迎えに、逃げていくガラの悪いお兄さんたち。その隙にこっそり涙を拭いて前を向けば、頭を撫でてくれたテツくんと少し話して、ストバスコートをあとにした。

6.羨ましいほど純粋な→←4.水色の彼



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設定タグ:黒バス , 黄瀬涼太 , 恋愛   
作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - たくっちさん» コメントありがとうございます〜!! そう言っていただけると嬉しいです! ほんとにありがとうございます!! (2015年12月29日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
たくっち - めっちゃ良い話じゃないですか。感動しました!これからも感動するような作品よろしくお願いします。応援してます! (2015年12月27日 18時) (レス) id: 14821b434b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 朱いメダカ@ペンタブ禁止令さん» コメントありがとうございます^ ^ そういっていただけると、すごく嬉しいです〜!! ありがとうございます! (2015年5月12日 0時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
朱いメダカ@ペンタブ禁止令(プロフ) - 今日読み始めて一気に最後まで読んでしまいました!!凄くキュンキュンして泣けて…凄く面白かったです!! (2015年5月11日 23時) (レス) id: edbb06b586 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - にょんさん» コメントありがとうございます^ ^ ほんとですか!? すっごく嬉しいです、ありがとうございます!! (2015年5月7日 23時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年2月15日 11時

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