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31.デジャブ ページ31

「黄瀬くん、紙袋いっぱいだね」
「ははは、まぁね」

先輩たちが気を遣ってくれたのか、偶然なのかわからないけど、今日は他の人たちは全員これから用事があるらしい。いつもは騒がしい帰路を二人で歩いていると、なんだかすごく気まずい感じがする。そういえば、前も二人きりで帰ったことあったっけ。

「懐かしいっスね」
「......え、なにが?」
「ウィンターカップ終わったころもさ、こうやって一緒に帰ったことあったよね」
「うん」

わたしも同じこと考えてたの、なんて。そんな乙女チックなことを言えるわけもなく、無意識に照れ隠しで、今思い出しましたと言わんばかりの顔で頷いてしまった。あぁ、つくづく思う。自分はなんて可愛くないやつなんだろう。無愛想でつまんないやつって思ったかな。おそるおそる顔を伺えば、黄瀬くんは何を考えてるのかわからない微笑を浮かべていて、わたしは表情から感情を読み取るのを断念した。

前を向いて歩きながら、小さく心の中で溜息を吐く。すると、ふいに立ち止まった黄瀬くんが膝を曲げて、わたしの顔を心配そうに覗き込んできた。

「......Aっち、元気ないけど大丈夫?」
「あ...っと、うん」
「ほんとにどうしたの、なんか挙動不審っスよ」
「だ、だ大丈夫」

頑なに首を横に振るわたしを見て、ふぅーん、と目を猫のように細めた黄瀬くんは暫く考え込むような素振りを見せてから、小首を傾げてもう一度顔を覗き込んできた。その明らかに近すぎる距離に、わたしは驚いて目を零れんばかりに見開く。そして、何かを言おうとしている黄瀬くんは、ゆっくりと口を開いて、

「ねぇAっち、オレさ...」
「ーーーあっ、いたいた!きーちゃん!」

まただ。黄瀬くんはさっきから何を言おうとしてるんだろう。デジャブに思わず眉を顰めながら、そっとその見覚えのある声のした方を向いて......わたしは固まってしまった。

「もう、探したんだから!」
「おい、さつき!先に行くなっつーの」

ーーーな、なんで?

桃色の髪の毛を揺らして笑顔でこちらに走ってくる人物を認めて、わたしはハッと息を呑む。隣りにいた黄瀬くんの口から漏れた嬉しそうな声に、忘れていた感情がむくむくと大きくなるのがわかった。

「...どう、して」

なんで、いま、ここにいるの?なんで、チョコ持ってるの?

ーーーお姉ちゃん!!

32.予感→←30.弱さを隠す嘘



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作品ジャンル:アニメ
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(プロフ) - たくっちさん» コメントありがとうございます〜!! そう言っていただけると嬉しいです! ほんとにありがとうございます!! (2015年12月29日 22時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
たくっち - めっちゃ良い話じゃないですか。感動しました!これからも感動するような作品よろしくお願いします。応援してます! (2015年12月27日 18時) (レス) id: 14821b434b (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 朱いメダカ@ペンタブ禁止令さん» コメントありがとうございます^ ^ そういっていただけると、すごく嬉しいです〜!! ありがとうございます! (2015年5月12日 0時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)
朱いメダカ@ペンタブ禁止令(プロフ) - 今日読み始めて一気に最後まで読んでしまいました!!凄くキュンキュンして泣けて…凄く面白かったです!! (2015年5月11日 23時) (レス) id: edbb06b586 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - にょんさん» コメントありがとうございます^ ^ ほんとですか!? すっごく嬉しいです、ありがとうございます!! (2015年5月7日 23時) (レス) id: 6bc2673fc1 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年2月15日 11時

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