崩壊寸前 ページ33
「ハァア！？ マジかよ、それじゃあ……！」
「作戦、破綻……」
放課後、寮への帰り道の空気は、重たかった。
葉隠にスマホを確認してもらったところ、動画は削除されていたという。
生真が葉隠のスマホを触ったのは……彼の授業中、だろう。
「え、でも…アイツずっと居たよな……？ グラウンドβに……」
そう、居たのだ。
生真はずっと、A組の誰かから見える位置に居た。
かと言って、それ以外で葉隠がスマホを自分のそばに置いていなかった時間は無い。
「……個性か？」
「その可能性は高いな！」
「どういう個性なの、も〜！！」
分からないことが多すぎる。
じっと数秒考え、緑谷が口を開く。
「分身、とか…？」
_____トゥワイス。
「なるほど、片方で授業をして、片方でスマホを……！」
「有り得なくはないね。でも……」
「確証は無い……」
やはり、いっそAに聞くしかないのだろうか。
先程、保健室へ迎えに行ったら、Aは「ありがとうございました。寮へ戻ります」というメモ書きを残していなくなっていたとリカバリーガールに告げられた。
警察へ突き出す証拠も無くなったため、今優先すべきはAとの合流、そして情報収集と作戦の練り直しだ。
ガチャ、と扉を開け、寮に入る。
「……え」
数m先で、ずる、ずる、と足を引きずって、壁伝いに歩くA。
「おお〜、Aも丁度帰ってきてた……の……」
後ろから、芦戸がひょこっと顔を出してAを見て、その"異常さ"に言葉を失う。
「ッA！！ 止まれ、お前！！」
一番最初にAを目にした切島が、走り出しながらAに制止を叫ぶ。
他のA組メンバーも、「何事か」とぞろぞろ中へ入り、「え」と目を疑う。
切島がガシッとAの肩を掴み、自分の方を向かせた。
ガシャンッ
「ぇ……あ……だ、れ………？」
「ッ______！！！」
腕が落ち、"割れる"。
「…？ に、さん…じゃない……よね……？」
______血で濡れた服に、まだらに氷化した肌。
ひび割れて、恐らく機能を果たしていない、耳、目、喉。
変な方向に曲がった腕。
ほぼ全身にヒビが入り、歩く度に氷の破片、そして氷化していない箇所の傷からは血が、床へと落ちている。
今にも壊れてしまいそうなその姿に、誰もが絶句した。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Re:(プロフ) - るいるい＊*さん» 生真まで描いてくださるとは…！！ 驚いてスマホ投げてしまいました() 悪そうな顔がたまらないですね…！ありがとうございます！！ (2019年5月25日 6時) (
レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - Re:さん» こちらこそありがとうございました！ こっそり生真さんも描かせていただいたのでもし宜しければ…！ (2019年5月24日 23時) (レス) id: 8a21691ddc (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - るいるい＊*さん» 拝見&設定内での記載をさせて頂きました！！とても可愛い氷惑くんをありがとうございます…！！ イメージ通りでびっくりしました！！ 本当にありがとうございます…！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - Re:さん» 早速描かせていただきました！ よろしければご確認ください…！【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/xxstellexx3/】 (2019年5月24日 21時) (レス) id: 8a21691ddc (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - るいるい＊*さん» 了解しました！ありがとうございます、楽しみに待ってますね…(*`･ω･´) (2019年5月24日 19時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年5月18日 14時
