変われない ページ21
「聞き間違いかな…？ 今、なんて？」
「クソプ教師」
爆豪が真顔でもう一度言う。
生真の顔は不快感を一切隠さぬ歪み方をし、Aの顔はサーッと青ざめていった。
「胸糞悪ぃんだよテメェ。俺ァテメェみてえな奴の授業受けるなんざゴメンだ」
「か、かっちゃん…！！」
ビキ、と血管が浮き出るほど怒りを顕にした生真が、くるっと振り返りAの元へ歩み寄る。
「ひ、っ……」
顔面蒼白のA。
"僕以外殴っちゃだめ"という約束があるなら……生真の怒りをモロにぶつけられるのは爆豪じゃなくAだ。
「氷野郎、テメェさっきからなんで氷化しねえんだ？ 丸顔庇った時みたいにやりゃ無傷じゃねえんか」
「"しない"よ。ねえ？ A」
「ぁ…」
生真がにこりと笑い、Aに拳を振りかざす。
が、緑谷が個性で加速してAを保護し、生真から遠ざけた。
「……だからさァ……触んな、っつったよな」
ギロ、と生真が緑谷を睨む。
「っ緑谷！！」
「え、」
瞬間、さっきまで数m離れた先にいた生真が、緑谷の背後に現れた。
「っ！！」
「おっそ」
バッと振り返った緑谷の首にナイフを当てた生真の顔は、完全に緑谷を見下したものだった。
「A……よっぽど、コイツらに嫌われてるんだね。コイツらお前が殴られて嬉しいんだ。だから僕を挑発してるんだ……そうでしょ？」
「ご、めん…なさい……」
「Aのせいだよ、ほら……"どう"するの？」
冷たすぎる声色に、その場の全員が気圧される。
Aは、震える手で緑谷を押し、緑谷から離れようとする。
「っ、ダメだ氷惑くん…！！」
「……」
青ざめた顔で、"早く兄の元へ"だけを考え、Aは「ごめ、ん」と緑谷の肩に触れ、氷結させた。
「ッ……！！ なんで…！」
緑谷は動けなくなり、Aは緑谷から離れた。
そして生真に近寄り、ぎゅっと控えめに抱きついた。
すると、生真は機嫌が直ったかのように、微笑んだ。
「ん、いい子。…ねえ、Aの新しい部屋見せて？ 今日は泊まるからさ」
「……うん…」
Aの身体は、依然として小さく震えていた。
(僕は兄さんと一緒にいなきゃ……元々僕は一人だったんだ。兄さんも、一人だった。だから、何も変わらない、変わっちゃいけないんだ。今日一日、久々に兄さん以外の人と話して……舞い上がっただけ)
(……友達、なりたかったなぁ)
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 154人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ヒロアカ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
Re:(プロフ) - るいるい＊*さん» 生真まで描いてくださるとは…！！ 驚いてスマホ投げてしまいました() 悪そうな顔がたまらないですね…！ありがとうございます！！ (2019年5月25日 6時) (
レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - Re:さん» こちらこそありがとうございました！ こっそり生真さんも描かせていただいたのでもし宜しければ…！ (2019年5月24日 23時) (レス) id: 8a21691ddc (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - るいるい＊*さん» 拝見&設定内での記載をさせて頂きました！！とても可愛い氷惑くんをありがとうございます…！！ イメージ通りでびっくりしました！！ 本当にありがとうございます…！ (2019年5月24日 22時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
るいるい＊*(プロフ) - Re:さん» 早速描かせていただきました！ よろしければご確認ください…！【https://uranai.nosv.org/u.php/novel/xxstellexx3/】 (2019年5月24日 21時) (レス) id: 8a21691ddc (このIDを非表示/違反報告)
Re:(プロフ) - るいるい＊*さん» 了解しました！ありがとうございます、楽しみに待ってますね…(*`･ω･´) (2019年5月24日 19時) (レス) id: 9081ea5a92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：Re: x他1人 | 作者ホームページ：http://uranai
作成日時：2019年5月18日 14時
